狼たちの午後 [DVD]
『ゴッドファーザー』ファンの方は、一見の価値あります。主役はアル・パチーノとジョン・カザール。言わずと知れたマイケルとフレドの兄弟コンビ。頭が切れて冷静だが秘めた怒りの爆発力に圧倒させられる前者と、少し臆病で幼稚だが屈折した存在感を放つ後者。役柄にも思わず共通点を見出してしまう。パチーノの役名はソニー、カザールの役名はサル。『ゴッドファーザー』では前者は長男の名前、後者はマフィアの仲間テシオの愛称。そして、極めつけはパチーノの父親役。『ゴッドファーザー パート2』でマイケルとフレドの亀裂の原因となった、ジョニー・オラ役の俳優が演じている。マニアの方は、他にもいろんな発見ができるかも。
場面の展開が少ないにもかかわらず、全編を包む緊張感はさすが。この作品でも、『パート2』でもジョン・カザール扮する役の結末は、その後の彼自身の人生と重ね合わせてしまって、とても物悲しい。
狼たちの午後 [Blu-ray]
多分、年老いたパチーノを知っている人が増えて、この映画を見たことがある人が少なくなっていることだと思う。今では大スター「アル・パチーノ」で声もだみ声になっちゃって貫禄もついて・・・という姿をイメージしてしまうが、この「狼たちの午後」のパチーノは若いしすごい、まさしく彼の独演会である。2時間を1人で演じてしまっている。とはいえもう1人影の主役とも言えるサルことジョン・カザールがいてこの名作は成り立っている。最後の一瞬は結果を知っていても2人とも逃がしてやれよと思ってしまう。アウトローが支持を得る下地があった1970年代ならではの映画(事実でもある)かなと思う。なんともいえないうだるような夏の気だるさがうまく表現されている(本当は秋に撮った映画らしい)。
狼たちの午後 [DVD]
邦題「狼たちの午後」は原題に忠実に「犬どもの~」とした方が良かったのに。その方がこの負け犬たちの悪あがきが伝わるでしょうに。アル・パチーノの活きの良い名演が堪能できますが、相棒の危ない神経質男・サルを演じる故・ジョン・カザールの名演がこの作品のキモとなっている。何と言うんでしたっけ? ハイジャック犯と人質達が奇妙な連帯感を持ってしまう心理現象-それが本作ではうまく描かれています。実際の事件がモデルだけにその辺りリアルです。主人公がヤジ馬達に向かって「アテッカ! アテッカ!」と煽り立て、シュプレヒコールが巻き起こるシーンがありますが、これはアッテカ刑務所の暴動事件で、官権の行き過ぎた鎮圧により多くの犠牲が出た実際の事件に由来している。つまり「お前ら権力はまた俺たちをブチ殺したいんだろう!?」と訴えている訳です。ヤジ馬たちが共感するのも何ともアメリカ的。同様に突然の非日常にうかれ高揚する心理を見事に演じる人質役のバイプレイヤーたち、リアルだけにその懸命さが何か可笑しい交渉役の刑事、ラストをしめる刑事役のランス・ヘンリクセンの冷徹な演技も見物。主人公の汗が滲んだシャツ、他のレビュアーが指摘しているが、まさに舌をだらりと出してあえいでいる様な、熱い暑い映画です。
ドラマCD 零の軌跡 レン物語~陽光のぬくもりに抱かれて~
レンの声は好き嫌いが分かれますが(わたしは好きです^^)レンの声が苦手ではない方、レンが好きな方、空の軌跡3rdをPSP版しかプレイしていない方には非常にオススメです。
3rdの星の扉のレンの過去がPSP版では年齢制限に引っ掛かってしまい、大分内容が省略されてしまったので、いまいちレンの過去がよく分からない描写になってしまっていますが、ドラマCDではPC版のレンの過去話がノーカットで丸々聴けます。
規制されるぐらいなので、決してレンの過去は軽いものではありません。
所謂ペドフィリアに触れるような内容なので、苦手な方はご注意を。
内容はレンの過去話〜零の軌跡のレン出演シーン(一部抜粋)〜零の軌跡ラスト+α
と言った感じで、特に真新しい話が追加されている訳ではなく、作中のテキストに声優さんが声を当てているものなので、ドラマCDオリジナルストーリーを期待している方は少しがっかりするかもしれません。
ただ+αは短いですが、零の軌跡ラスト後の三人の様子が書き下ろしで描かれていました。
レン好きとしては十分満足出来る内容です。
ちょっとがっかりしたのはレーヴェの出演が無かったこと…ですかね。声優さんの都合でしょうか。
ストーリーに変更はないものの、個人的にレーヴェも好きなので残念でした。