Ramones (Dlx)
大方の初期NY勢が感情を露に表現した情緒派なのに比べ、わりかし観念的なのがこのラモーンズ。そこが音のクールな感触にも繋がるトコ。バンドの頭=元画家ジョーイのアメリカ・ナショナリズムとその自己批評にコンセプトの肝がある。このデビュー作はそれがあまり鼻につかずガッツのある音楽に昇華されていた。パンク・ロックのイメージだけでみていてはこのバンドは解らない。脳天気さにゾっとしてほしい。
Sweet Rain 死神の精度 スタンダード・エディション [DVD]
ストーリーが分かりやすく、展開も面白かったです!
3つのバラバラのストーリー。ラストにそれぞれの物語のからくりが明らかになるのですが、人物の顔の見分けがつかない私にとって、1つ目と3つ目のからくりは分かっても2つ目のからくりはDVDを見直すまで分かりませんでした・・・。俳優さんの顔をひとつの記号として、髪型などもっと分かりやすくしてくれたらと思います。
フィッシュストーリー [DVD]
まず、伊坂幸太郎の原作の歌詞に、どんな音楽がつくんだろう??と思っていましたが、期待以上!! 王道パンク風のキャッチーなリフが素晴らしいし、気持ちが先行した微妙な下手さ加減もイイ。もし、この歌がチャチなものだったら、映画の説得力は大幅に減殺されていただろう。「ほら吹き」とか「正義の味方」「宇宙に届く」とかの小説にないキーワードもさりげなく入っているし。斉藤和義、いいねぇ。iTunesでダウンロードしちゃいましたよ。 名曲だ。(笑)
パンクバンド「逆鱗」のベース担当でリーダー役を、伊藤淳史がけっこう存在感あふれる演技で、いつも弱気な役のイメージをいい意味で崩し、カッコよかったです。彼の彼女役を「時効警察」の江口のりこが演じているのも、とても印象的です。いつもと違ってケバイながらもいい女風なんですよ。あと、ひょっとしたら主役とも言える森山未來もいいです。なんてたって『正義の味方!!』ですからね。身のこなしも様になっています。そして、多部未華子。相変わらず可愛いですし、独特の空気感もいつもながらですね。
原作にない『彗星が地球に衝突する話』に収束させた脚本も面白い。原作より面白かったりして。(笑) 時代がクルクルと代わり、一見オムニバスにも見えますが、エピソードの積み重ね方が上手いし、それぞれのエピソードの寸止め感が絶妙。
ある新聞評では、『風が吹けば桶屋がもうかる式のラスト』とありましたが、まさにピッタリ!! ホント、このラストにはやられました。時代も場所もバラバラな人達の群像劇。そのバラバラな人達の人生が繋がることになる偶然や誤解。パズルのピースがピタッとはまるような気持ちよさ。(笑) 大人たちの為のフィッシュストーリー(ほら話=お伽噺)ですね。
「アヒルと鴨のコインロッカー」も面白かったけれど、本作もよかった。「ジェネラル・ルージュの凱旋」もうまくまとめていたし、中村義洋監督いい感じで乗ってますね。
ゴールデンスランバー (新潮文庫)
著者の作品は好きで文庫化されたものはすべて読んでいるが,この作品は今までのものと一線を画している.
そのため,この作品が伊坂幸太郎の集大成という言い方をされる場合に大いに違和感を感じている.
伊坂幸太郎の作品の良さの一つには物語の構成の上手さがある.
複線を張り巡らせ,それを上手く回収する.
時に違和感を覚える文章も,最終章にたどり着く前には謎が明かされ,レトリックの上手さに唸らされる事となる.
本作ではこういったものに主眼が置かれていない.
唐突に始まる逃亡劇に対する解答は示されず,すべてを読み終えても明らかにされない事ばかりだ.
それでいて読み終えたときにある種のカタルシスを感じることができた.
物語は問題ではないのだし,解答を用意する必要など無いのかもしれない.
あとがきで著者はこれを故意に行ったことを明らかにしており,私は伊坂幸太郎の持つ物語の広さに驚嘆した.
良い意味で「無責任な物語」を堪能するのも良いのではないか.
ゴールデンスランバー [DVD]
突然追い詰められ始まる主人公の逃走劇。昔の友人たちとのつながり、友情。
すごく考えられていて、出てくる俳優陣もいろんなジャンルにとんでるし、はまり役ばっかり!悪役の凄みのあるリアル感あふれる怖さ。
本当にこういうことってあるんだろうなって思います。実際はもっと残酷なんでしょうね。
最後はファンタスティックに締めてくれて、おしゃれ感たっぷり!斉藤和義の曲も最高です!
最近見た中で一番面白かった映画です!!!