胃を切った人の食事―おいしく食べて治す 消化器をいたわるレシピ200 (おいしく食べて治す)
胃を切っても工夫すればこんなに普通の物が食べられるのか。
それが、最初この本を開いたときの感想です。
全部写真付で、全摘の人用、一部切除の人用、退院直後、
しばらく経った後、と分けて書いてくれてあります。
見た目には、いかにも胃を切った人の食事という感じがあまりなく、
レシピを見るとその工夫の仕方がわかります。
巻末には、胃を切除した人がどんな後遺症を持ちやすいか、どう対応するべきか
(病院でも説明があることだとは思いますが)、丁寧に解説してくれてあります。
これから胃を切る人に見せて、
「少しずつ食べれば、こんなに普通のものが食べられるんだよ」
と勇気付けることもできました。
ただ、流動食(スープやポタージュ系)があまり載ってないので、
どうしても流動食でないと不安な人には向かないかもしれません。
ガンがゆっくり消えていく 再発・転移を防ぐ17の戦略
ガン患者の会「いずみの会」代表である中山さんのガン治癒に対する思いが込められた本です。
前2作は体験談にもとづく内容でしたが、今回はその集大成とも言える内容です。
この本を読めば、西洋医学を中心とする医療の常識の呪縛から解き放たれ、手術、抗がん剤、放射線療法などの三大療法に頼らず、自らの治癒力や免疫力を高めることによってガンの治癒を目指そうという勇気が溢れてきます。この本に書かれていることは、ガンの治療ばかりでなくあらゆる生活習慣病の予防につながる内容です。
健康かつ楽しく幸せに生きるためのヒントがこの本には詰め込まれています。安保徹先生の免疫革命とともに読むと尚一層この本に書かれていることの意味が理解できます。
中山さんといずみの会の会員の方々の現実的体験から導き出された17の戦略です。
科学的エビデンスにもとづく西洋医学の考え方が最高の医学だと信じ込んでおられる方々に是非とも読んでいただきたい一冊です。
大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)
別のレビューでも指摘されていますが、「がんは完全放置すれば痛まない」というのは極論です。
著者の本の中でも「すべてのがんが強烈に痛むわけではありません。さんざんがんを痛めつけても、痛むのは7割程度といわれています。つまり、裏を返せば、3人に1人は痛まないわけです」(97頁)と本文になり、章のタイトルとのギャップを感じました。
うがった見方をすると、編集者が章のタイトルを、センセーショナルなものに変えてしまったのかな…と感じた程です。
3人に2人は痛むといっているわけですから、「がんは完全放置すれば痛まない」というのはギャップがあるでしょう。
まぁ、そういうざっくばらんに書かれているということで、根本の部分を読むことは良いかと感じます。
自然死の考え方については、医師の立場から、具体的な事例をあげて書かれているので興味深いです。
この本をきっかけに、どういう死に方をしたいかを考える、とても良い契機になるのではないかと思います。
また、もう一点、ガンは種類によって、治療すべきものもあります。
すべてのガンを十把一絡げに対処するのは、気を付けた方が良いです。
(血液の癌である白血病は、種類によっては薬だけで通常生活を送れます)