ストロベリーショートケイクス [DVD]
岩井俊二監督の『リリィ・シュシュのすべて』では、日本の中学生が抱えるな悩みが赤裸々に描かれていたが、若い女の子も心の中ではやっぱり深刻な悩みを抱えていたのだ。フリーターの里子(池脇千鶴)とデリヘル嬢・秋代(中村優子)、OLのちひろ(中越典子)とイラストレーター・塔子(岩瀬塔子)の2組を通じて、都会で暮らす女の子の孤独や心の痛みが自分のようなオッサンにもひしひしと伝わってくる作品だ。
前半は月経のメタファーかとも思われる“月(神様)”や”恋人(男)”が現れて、都会の孤独から自分たちを救ってくれることをひたすら願う、ちょっと“甘ちゃんな”女の子たちが登場する。失恋や仕事上の挫折を通じて、ちょっぴり人生の“酸っぱさ”を味わった女の子たちが、「神様なんかいらない」と少しずつ人間的に成長していく様が後半に描かられる。甘いスポンジケーキの上に酸っぱいイチゴがのった『ストロベリーショートケイクス』は、まさに子供と大人の中間を漂っている劇中の女の子たちを形容するのにピッタリなタイトルだ。
作品にリアリティももたせるために不可欠な大胆な濡れ場以外にも、あまり意味のない場面でも女優たちにやたら服を脱がせすぎたせいか、R−15指定という憂き目にあった作品でもある。これが客寄せパンダ的な演出ではないことをせつに祈りたい。それと、ボリューム最大にしても聞き取りにくい、モゴモゴとしたしゃべり方は何とかならないものか。それが結構重要な言葉だったりするので始末に終えない。
月刊 池脇千鶴 (SHINCHO MOOK)
月刊シリーズはグラビアを活躍の場としない人にスポットを
あてる初期のコンセプトからはずれ最近の人選はグラビアアイドルばかり。
結局はグラビア雑誌になったか、と思っていた矢先に池脇千鶴!
その情報を知ったときは久しぶりにいい人選したな新潮社さん、と思った。
映画監督の犬童一心が池脇千鶴に対して「絶世の美女というわけじゃないのに
一度スイッチが入ると求心力がすごい」と評していた。
そう、池脇千鶴は美人でもないしグラドルじゃないからスタイルもいいわけじゃないのに
存在感がすごい子なのだ。それをどう写真に収めてくれるのか、楽しみにして月刊〜を見た。
感想は・・・イマイチ。セクシーショットもあるけどどれもこれもぐっとくるポイントを
はずしたものばかり。池脇千鶴はこんなもんじゃないだろ、どうした?と思わざるを得ない
写真ばかり。後に某雑誌でグラビア業界の特集があってカメラマンたちに印象に残った被写体を
5人挙げさせる記事でこの月刊池脇を撮った藤代冥砂が池脇千鶴を選んでいた。「彼女はモンス
ターだ」と言っていた。完全に藤代はモンスター池脇をとらえることができず完敗した訳だ。
ただインタビューは濃い。月刊シリーズのもうひとつの目玉はインタビューなのだがいままで
読んだ月刊シリーズのインタビューの中で1、2を競う濃さ。グラビアはインタビューのおまけだと
思って読んだほうがいいです。
猫の恩返し / ギブリーズ episode2 [DVD]
『猫の恩返し』は面白かったです。75分という短さで展開も簡単かつスピーディーなので個人的にはとても気に入りました。子供にも分かり易いと思います。キャラクターのデザインや性格描写なども上手く表現されていたと思います。考え込まなくても良いジブリ作品というのは珍しいと思いますので、思考を停止したいときに観るべき。面白い映画です。
★が3つなのは、『ギブリーズ・エピソード2』があまりにつまらなかったからです。2本立てと聞くとお得なようですが、むしろ損した気分です。『ギブリーズ』別売りにして定価を安くした方が良いと思いました。『ギブリーズ』無しなら★4つです。
まっすぐ―池脇千鶴写真集
写真数が多いのが何よりいいです。場所・服もたくさんの種類があり何年たっても見飽きません。
とにかく肌がきれいです。若いっていいなー。
最近大人になって以前と変わってきたちいちゃん。この作品は「大阪物語」や「リハウスガール」の池脇千鶴として最後の作品だと思います。
白いレースのような服を着ている写真などちいちゃんの純白さが表れています。他にも肌を露出した作品や見えるんじゃないかという作品も多くとってもセクシーです。
ジョゼと虎と魚たち(通常版) [DVD]
この映画で、邦画におけるラブストーリーの質が向上したと思う。
コメディに関しては海外に出しても決して引けをとらない良作が多いがラブストーリーの場合、欧米の作品と比べると力不足な感じ。
キスシーンやベッドシーンなどのラブシーン描写は欧米に比べると印象が薄い。。。演じる側の照れがどうしても見えてしまい、それが却って観る側をも気まずくさせてしまう。
でも今回の「ジョゼ~」では、そうした照れや気まずさを感じずに最後まで見ることが出来た。
ジョゼと恒夫が互いに惹かれ合っていく過程が丁寧に描かれていて、恋は理性を越えてしまうもの、ということをつくづく感じた。
ジョゼと恒夫の出会いはシュール。
でも、惹かれ合う者同士の間に流れる濃密な空気や間の取り方はリアル。だからラブシーンも自然。
爽やかな青春モノが似合うツマブキと演技派・池脇千鶴の二人が、今までにないラブシーンを演じる、ということで些か心配だったけど、それも取り越し苦労で終わったみたい。
場合によっては、イヤらしくなりかねないシーンがちっともイヤらしく感じなかった。話題のラブシーンだったけどあっさりしたもの。
むしろ、話題の場面よりも、押入でジョゼと恒夫が教科書の持ち主・金井晴樹のことでバカ話に興じてた時に何かの拍子で二人の手(というより甲?)がかすかに触れた場面の方が官能的で強く印象に残ってる。
触れたときにジョゼが恥じらって、反射的に手を引っ込めるんだけど、恒夫はすかさず、ジョゼの手を自分の方に引き寄せて強く握りしめる。
この場面が一番ドキドキしてしまった。
いわゆるラブシーンじゃないのに、この場面だけで観る側をドキドキさせるなんて、邦画ラブストーリーの水準が上がったとしか言いようがない。。
邦画のミニシアター作品にしては、大ヒットしてしまう理由も納得できる。