楢山節考 [DVD]
日本人が、もっとも過小評価している日本映画だろう。キネマ旬報が99年に行った日本映画オールタイムベスト100」は圏外だった。80年代末、文芸春秋が行った「日本映画ベスト150」でも圏外だった。83年度カンヌ映画祭でパルムドール(グランプリ)に輝いているにもかかわらずである。
ちなみに木下恵介監督の「楢山節考」はキネ旬リストで55位、文春リストで56位だった。
原作が同じなので木下版と今村版は、表面的に似ているところは多い。だがこの2作が、描こうとした世界は、次元がぜんぜん違う!
木下版は、捨てられる母と捨てる息子に話がフォーカスされすぎていた。主人公は、母と子の2人だったが、今村版の主人公は緒形拳や坂本スミ子ではなく、実は「世間」だったのではないか。
今村監督は「世間」を通じ、日本人や日本の価値観・道徳観を映像にうつしとった。善悪の感情をいれたり、説教風を吹かせることもなく、冷徹に信州の寒村の生活をえぐりとっていく。
村民が一致団結して作物泥棒をした一家を子どもまで含めて生き埋めにしたり、オバ捨で以外にも激しい表現が、作品の中にいくつか転がっている。次男坊で妻を娶れない(映画の中ではヤッコと呼ばれる)左とん平が、犬と獣姦するシーンもある。
暗い話なのだが、どこかにバイタリティがあり、しかも諦観がある。山中貞雄監督の名作「人情紙風船」にどこか似た味わいがある。かたや江戸の下町、かたや信州の寒村ではあるが。
だが「楢山節考」は「人情紙風船」に比べ、映画の余韻が悪くない。悲惨な話なのに、日本人の気高さ、品格を強く感じる。なぜかどこか、日本賛歌に仕上がっている。
日本文化をもっとも深いところでつかみ取った作品だと思う。 今村昌平版「楢山節考」は日本映画のベスト10に数えられるべき、決定的名作だと私は思う。
プレミアム・ツイン・ベスト ラテン・ミュージック・ベスト
ようやく出会えました!「エル・クンバンチェロ」、これが聞きたくてこのCDを購入しました。聞いて小学生の頃「紅白歌合戦」で彼女が歌っていた姿が思い出されます!大変満足です。一生の記念になりました。
GOLDEN☆BEST/坂本スミ子
坂本スミ子さんの唄の題名で「小樽」と言う曲がありますか?ありましたらぜひ教えてください。お願いします。もう二十年も見つけているのですが未だに見つかりませんのでよろしくお願いします。
日本脱出 [DVD]
この映画は東京オリンピックの頃を描いたのだけど、この頃から日本はそう変わってないように思える。
ラストシーンで、宙吊りになって、野次馬の日本人たちをカタカナ英語の歌を歌いながら強がって嘲笑する若者は、私たちそのものだ。
若き日の岡本太郎と市原悦子が見られるのも、嬉しい。