結び目 [DVD]
エンターテイメント作品を除けば、低予算で遜色のない、むしろ大作を凌ぐ作品を作れるようになった。
本当に凄い。
デジカメが進化した事で誰でも映像作品に取り組めるようになった。
才のある人が縛りなく作れる環境を持ったことから生まれた作品。
良い映画を作るのに必要なのは予算ではない、ことがこれではっきりした。
これからは言い訳が出来ない時代になってくるのでは。
新装改訂版 信州の城と古戦場
この本、20年位前に買っておりまして、何回も読み返してますがその度に面白いなーと思ってます。信越線、大糸線など信州人ならご存じの路線ごとにお城の紹介がされてますので、お城巡りのお供に良いのではと思います。(少々古い地名が出てくるのも、また楽しいんじゃないでしょうかw)
戦国BASARA 武将巡礼Vol.2真田幸村
本書は人気ゲーム「戦国BASARA」に登場する戦国武将ゆかりの地をたどるガイドブックである。戦国武将一人ひとりを取り上げるシリーズ物の一冊で、本書のテーマは大阪の陣で活躍した真田幸村(真田信繁)である。
「戦国BASARA」は戦国武将達を操り、敵をなぎ倒す爽快さがセールスポイントのアクションゲームである。戦国武将がスタイリッシュに描かれ、歴女(歴史好き女子)ブームの一因にもなった。
「戦国BASARA」自体はフィクション性の高い設定である。幸村は武田信玄に仕え、伊達政宗とは宿命のライバルになっている。また、戦国武将の衣装や武器も時代考証から離れたものになっている。これに対し、本書は史実の真田家に関連する名所を紹介する。
紹介する地域は真田一族発祥の地である真田の郷(長野県)、上杉氏・北条氏・武田氏・真田氏の間で争われた沼田(群馬県)、徳川の大軍を二度も撃退した上田(長野県)、幸村の兄・信之から初代藩主となった松代(長野県)などである。取り上げる内容は城跡や寺社、温泉、旅館、名物料理、土産物まであり、旅行ガイドブックになっている。
幕末まで続いた真田松代藩では8代藩主・幸貫は下級藩士の佐久間象山に洋学を学ばせた。象山は洋学の第一人者となり、吉田松陰や勝海舟、坂本龍馬ら幕末を動かした人物に影響を与えた。ここに本書は実戦的かつ合理的な真田家の精神を見出す(61ページ)。戦国時代というスポットで限定するのではなく、幕末にまで続く流れとして歴史を見ることも勉強になる。
興味深いのは歴史関連書籍やグッズを扱う「時代屋」若女将・磯部深雪氏のコラムである。若い女性ファンには幸村をはじめ、石田三成や島左近、大谷吉継ら関が原の合戦時の西軍武将が人気という。そこには切なさやロマンがある。これに対して、豊臣秀吉や徳川家康のような一度でも勝者になった人達には切なさやロマンは感じにくい。幸村達の精神面の美しさやカッコよさに魅了されるとする(89ページ)。
「歴史は勝者のもの」と言われるが、西軍武将人気は正反対である。歴史上の人物を勝ったことではなく、何を成し遂げようとしたかで評価する。これまでの歴史常識からは外れるが、実は真っ当な人物評価である。歴史は為政者にとって国民支配の道具にもなる。そのような官製の押し付け歴史観に対抗する意味でも歴女の感覚に健全性を感じた。
よみがえる日本の城 (14) (歴史群像シリーズ)
こんな本を待っていたんだ! 最初に発刊されたときの印象です。他社に、「城のある町への旅」をテーマにしたシリーズもありますが、やはり城好きにとっては、城そのものがテーマでなくては面白くない。その点、こちらのシリーズは、最新の研究成果を紹介しながら、かつての城郭の姿をできうる範囲正確な史料を元にCGで甦らせていて、城好きの心をくすぐります。この巻では、信越のお城を取り上げていますが、今なお自衛隊が駐屯する新発田城の往時の姿を詳細に紹介しており、非常に好感が持てました。
帰天城の謎 ~TRICK 青春版~
ジュブナイルミステリーに定評のある作家はやみね氏が書きおろした、小説版TRICK。
山田奈緒子の一人称による展開で、物語は進んでいく。
女子中学生の山田奈緒子は、とある経緯から同級生の女子生徒3人と共に、N県踊螺那村へ向かうことに。
それは、山田のその後の人生を大きく変えてしまう出会いと驚愕に満ちた旅となるのだった…。
ストーリーは、実にTRICKらしい「因習に囚われた山奥の村」を舞台に展開される。
主役である若き日の山田とジロ(上田の事だが、何故そういう呼称なのかは本巻を読むべし)であるが、
くだらないことで対立したり協力したりと掛け合う様は、もう後年の二人そのままである(笑)。
主役二人だけではない。 母・里見や、なんと若かりし頃の矢部まで登場するのには少々驚いた。
また、大小様々なチープなネタを劇中に散りばめる手法もきちんと踏襲されている。
ファンが最も気にするであろう原作以前に出会っていたとされる本巻設定と原作との整合性も、
実に山田と上田らしい理由でとられており、隅々にまで、はやみね氏のTRICKに対する深い愛情が伺える一冊だ。
願わくば、この「青春版」をシリーズ化して欲しいところ。
はやみね氏の文体と本のサイズも相まって非常に読みやすく、何度も笑わされた。
ファンならずとも、ぜひ読んでみてほしい作品である。