若者のすべて
爽やかなメロディー、懐かしいような叙情感、心の奥から込み上げるなにか、2007年にリリースされた名曲シングル群のなかで一際輝きを放つフジファブリックの底力、名曲「若者のすべて」。個人的には「茜色の夕日」を越えた。
「真夏のピークが去った」。夏の終わりの物悲しさと、心の奥の切なさがシンクロする。なんだかやりきれなくなる。
フジファブリックは心のモヤモヤを晴らしてくれるわけじゃない。晴れた気にさせてくれるわけじゃない。そんな調子のいい軽いポップソングは唄わない。しかし、そのモヤモヤの正体を教えてくれる気がする。静かに核心に迫ってくる。
この曲は、かつて若者だったすべての人への処方箋。心に染みて泣けてくる。
というかもう、歌詞に心打たれなくても、メロディーや声の雰囲気だけでも涙モノだ。
批評のジェノサイズ―サブカルチャー最終審判
まず、表紙がいいですね。『ゼロ年代のすべて』という本も表紙がよかったなぁ。表紙は大事です。
内容については
宇野さんのいっていることを自分の身の回りで起きていることにひきつけてみるといいのではないでしょうか?
こういった評論は各作品の評価が自分と違うとかいうことにあまりこだわらずに、批評家が組み立てた評論のための論理構造が自分の身の回りの出来事とか仕事とかに役に立つか、あてはめられるかで評価したほうがいいと思います。
その意味で非常に面白くよまさせていただきました。
フジファブリック presents フジフジ富士Q -完全版-(完全生産限定盤) [DVD]
内容については細かく書く必要はないでしょう。
フジファブリックの良さを、たくさんのアーティストたちが体現しています。
そして仕様が素晴らしいです。
フォトブックも大きくてボリュームがあるし、THANK YOU CARDも可愛らしい。
こんな豪華な仕様はなかなかないですよね。
お値段は張りますが、ファンの方には是非初回版を手に入れて頂きたいです。
一生持っていたい宝物になりました。
若者のすべて―ひきこもり系VSじぶん探し系
著者はひきこもり治療の専門家なので本は嫌いではない。だがこの本の、若者は渋谷系と原宿系とに二極化している、という趣旨はわからない。
1.渋谷系とは自分探し系ともいい、社交性は高いが一人でいられず、携帯電話などで常に人と繋がりあっていないと気がすまない。容易に新興宗教や自己啓発セミナーなどにはまりやすい。
2.原宿系とはひきこもり系ともいい、社交性が低く人付き合いが苦手。一人でいることが平気であり、「ひきこもる」能力を持っている。新興宗教に入るというより自分が新興宗教の教祖になりたいぐらいのタイプ。
かつての区分1が外交的、2が内向的とはどう違うのか? 新しい定義をわざわざ持ち出す、その理由がはっきりと書かれていない。
若者のすべて [DVD]
家族の変容と崩壊、これぞイタリアという傑作です。アラン・ドロンも素晴らしい。ただ、このようなお人よしよりも、もっとギラギラする野心的人物を演じたほうが本来のドロンらしいとは思います。
日本でいえば小津の「東京物語」のイタリア版といったところでしょうか。よくできた連続テレビドラマといった感もなきにしもあらず。とはいえ「山猫」以前のヴィスコンティのなかでは一番のできかもしれません。(「揺れる大地」は未見です。)