エピファニー~ザ・ベスト・オブ・チャカ・カーン
R&Bの女王の一人。彼女の多岐にわたる音楽スタイルを見事にカヴァーしているベストコンピ。ルーファス時代のヒットナンバーのライブ(3)、モダンなハイテクファンクの(4),ホイットニーがカヴァーしたことで有名な(6),切々と歌い上げるバラード(7)(11),など聞きどころ多し。(9)のジャズナンバーは特にチャカのチェレンジ精神を如実に示すサンプル。ネッドドヒニー原作の(11)などはチャカ色に染まっていて興味深い。チャカカーンというジャンルが存在し、彼女の真似をできるシンガーが存在しないということを再認識せざるをえないこと必至。この偉大なシンガーの華麗な軌跡をさらっとおさらいできるチャカの魅力満載の決定盤。(10)
Night in Tunisia
アート・ブレイキー(drums)、リー・モーガン(trumpet)、ウェイン・ショーター(tenor sax)、ボビー・ティモンズ(piano)、
ジミー・メリット(bass)による1960年の一枚。
やはりやっぱり冒頭タイトル曲に圧倒されますよね。「チュニジアの夜」を聴くならこの仲良し戦闘集団のが一番です。
ブレイキーの爆撃、爆撃、連続爆撃で始まりひたすら熱い!モーガンが熱い!ショーターが熱い!燃えてる。その火の手を
更に煽る風となるのがまたブレイキー。最高に似合った象徴になってる。うんシンボル化してる。この曲このグループ、この
グループこの曲。これ以上ない好取組。間違いなく誰にでも訴える演奏。これ聴いて日常のなんやかんらの圧殺から解放されるべし。
んでショーター、ティモンズ作と続く二曲目、三曲目も秀曲だと思うし、モーガン作の残りの二曲は創意に富んで面白く尚且つ
とっても親しみ易い。だのでこの一枚はジャズビギナーを一気に、本当に一気に惹き寄せる力を持ってる。一曲目の活気とノリは
味わなきゃ損!楽しい。そう楽しい。まあ基本メッセンジャーズの作品はどれも楽しいのでみんなお薦めできます。
奉仕精神あふれるジャズ教師ブレイキーと、その生徒達の楽しすぎるディスカッション。最高だよ。
ヴィレッジ・ヴァンガードの夜
ロリンズには珍しいピアノレストリオ。ピアノが入らないことで、ロリンズはかえってのびのび演奏している。「チュニジアの夜」「朝日のようにさわやかに」などの名曲は今聴いても新しい。当時、新鋭ドラマーだったエルビン・ジョーンズの演奏も素晴らしい。1957年のモノラル録音で、ニューヨークの有名ジャズクラブ「ヴィレッジ・ヴァンガード」でのライヴ。(松本敏之)
コンプリート・ヴィレッジ・ヴァンガードの夜 Vol.1
ジョン・コルトレーンとソニー・ロリンズはともに50~60年代を代表するテナーの巨人であり、異なった個性ゆえ何かと比較される事が多い。コルトレーンがどちらかというと未熟だった時期から段階的にステップ・アップして自己の音楽を究極まで高めていったのに対し、ロリンズは初期においてすでに天才的なアドリブの才能を披露し、時として停滞しながらも、カムバックしては飛躍的な素晴らしい演奏を聞かせる。努力型のトレーンと天才肌のロリンズといってしまえばそれまでだが、ロリンズにはケース・バイ・ケースにおいてとんでもない能力を発揮するつぼのようなものがあるようだ。このアルバムはピアノレスでシンプルな野性味に満ちているが、複合的リズムをたたき出すエルビン・ジョーンズの参加によって自然発生的なロリンズのソロはスリルに満ちている。オールド・デヴィル・ムーン、朝日のようにさわやかに、ストライヴァーズ・ロウと続くライブの緊張感はロリンズの即興者としての実力を遺憾なく感じることが出来る。