Living Tree
中学2年生の時に『危機』を聞いて衝撃を受けて以来、数十年・・・。
イエスは唯一無二のバンドでしたし、その中でもとりわけジョン・アンダーソンは私にとって、どこか人生の指針のようでもありました。
そして、こうも思っていました。
彼らが初老に差し掛かった時には、きっとその年齢に相応しい音楽を、プログレッシブに、アコースティックに、そしてソロであったり、より少数の単位で作り続け、私に発信してくれているであろう・・・と。
まさしく昨今のイエスを巡る状況がそれに近く、私の思い通りに事が進行しているのに驚きを禁じ得ません。
このジョンとリックの共作である『THE LIVING TREE』。
作詞がジョンで、作曲がリックとクレジットされ、リックも多彩な音を奏でていますが、私にはジョンのソロアルバムにリックが協力しているように聞こえます。
全体を通じて感じるのは“秋”から“冬”への移り変わりです。
さらに“悲しみ”です。
ロックが40年以上もかけて訴えてきた“平和”が未だ達成されない人類の愚かさに対するどこか諦観にも似た眼差しに、不覚にも落涙しました。
常に肯定的に世界を捉えて来たジョンですが、血で血を洗うような地域紛争や核武装、さらに原子力発電など、人類的危機は決して衰えることはなく、希望を持ち続けられるかどうかの瀬戸際に我々は立たされています。
そう言えば、アルバムジャケットの黄色く変色した木にはびっしりと数式のようなものが描かれていて、最も目立つ根元には、E=mc2とあります。
そうです。
これは核の時代の始まりを告げる等式でもありました。
そう見ていくと、実はこのアルバムが日本の大震災と原発事故を予見していたとも捉えることが出来るかもしれませんね。(ユングが第一次世界大戦を予知したように・・・。)
アルバムの中には戦争を歌ったものもあり、従来のジョンのメッセージと少し違った印象を持ちます。
決して全体が暗いわけではありません。
むしろとても落ち着いた雰囲気・・・。
それはファンタジーを歌うことが多かったジョンとリックの、アーチストとしての等身大の姿であり、飾り気の無いリアルな表現でもあります。
このアルバムは決してないがしろに出来るものではありません。
点数を付けるとか、傑作か否か、そんなことはおこがましくて言えるものでもない・・・。
心にズシリと響きわたって、魂が共振します。
classical ever!lullaby
休みの日、つい、TVをつけっぱなしにして、だらだらと過ごしてしまいがちですが、TVを消して、このCDをBGMにどうぞ。なごみますし、疲れもとれるような気がします。
DVD名画劇場 ソルジャー・ブルー
騎兵隊が先住民を虐殺し、バラバラに切断した手足を槍の先に刺して、誇らしげに歓声を上げながら振りかざす場面に呆然とした覚えがある。(今にして思えば、よくぞテレビ放映したものだ)
とうとう吹き替え音声付のDVDが発売されるのかと思うと、(すでに他の方も書いておられるが)まさに感慨無量。
レッド・ツェッペリン Dazed and Confused [DVD]
あの時代、ライブでゼップに付き合ってきた老人にとって、
バンドのパフォーマンスうんぬんはともかく、このDVDで老いたグラントと会えることは
とても感慨深いものがある。
アルバム『プレゼンス』発表までローリングストーン誌を初めとするメディアに叩かれまくった守銭奴バンドとしてのアイコンが彼だった。
大した内容じゃない事は認めるが、これもやはり、立派なコレクターズアイテムである。