贋作師
全体的にとても満足です。
三ヶ月以上前から期待に震えていましたが、どうやら期待していて正解だったようです。
以下自己満足になりますが、私は他人が自己満足で書いた曲のレビューを読むのが大好きなので、他にもそのような方がいると思い自重せずに各曲の所感を書き連ねたいと思います。
・贋作師
サビは激しくそれ以外は比較的ゆったりとした、アリプロの曲に散見されるパターンの曲です。
長調と短調を行ったり来たりしているような不安定感たっぷりのAメロBメロと畳み掛けるサビのコントラストが聴いていて楽しくなります。
・ALICE同罪イノセント
このアルバムで唯一可愛らしいと形容できる曲だと思います。
アルバム「薔薇架刑」と通ずるものがあり、少女趣味全開です。
・蓮華幽恋
二胡やよく分からない弦楽器の幽玄な音色が映えます。
阿芙蓉寝台という似た立ち位置の曲が「Poison」にありましたが、そちらよりはもう少し控え目で優しい感じがします。
・真偽贋者遊覧会
割と斬新な、今までにないタイプの曲です。予測できない展開のAメロBメロに目を見張ります。
裏で鳴っている音も様々で、遊び心に満ちています。
・La v'rit'
アリプロにしては比較的にシンプルにまとまっています。切なげな雰囲気です。
俗に言うJ-POPに最も近しいと言えそうですが、やはり所々に独特の趣を感じます。
・野性双生児
黙示録前戯と肉体の悪魔を足して二で割ったようです。不気味で痛烈な耳に残るメロディです。
イントロから受ける印象とは大きく異なっています。
・逝ける王女の肖像画
ピアノとストリングスでの静謐な部分と、シンセが主体の部分に二分されます。
東欧のようでもあり近東のようでもある謎めいた曲です。
・真夏の憂愁夫人
今回のアルバムで唯一終始穏やかな印象の曲です。
しかしサビでは案外細かく動き回り、快活さも顔を覗かせます。清々しい夏の白昼に合いそうです。
・天譴と超克
いかにもアリプロ的で勇ましく壮大な曲です。シンセが素直に恰好良いです。
歌詞はメッセージ性が強く、考えさせられます。
・RED WALTZ
曲名通りワルツです。純ヨーロッパ風でドラマティック、儚ささえ感じます。
アリプロ冥利に尽きる、とでも言うべき美しさを放つ曲です。
贋作・アニメ店長 DESTINY!! DVD
お年玉でようやく買えましたが、買ったかいがありました!最高です!!関さんファン、ヘロQファンにはたまりません!!特典映像も見どころです☆稽古の様子や打ち上げ風景も見れました。もちろん、本編も最高です!兄沢可愛すぎです!!暇あれば毎日のように見てます。ダンスを覚えるのが今の目標です…。
にせもの美術史―メトロポリタン美術館長と贋作者たちの頭脳戦 (朝日文庫)
贋作や贋作者を取り上げた文献は数多いが、なぜ多いかというと、
はっきりいって素材が面白いからだろう。
本書は、そういった贋作系の本でも、さらに一歩踏み込んだ面白さに溢れた名著である。
とりあえず全訳ではなく、有名な贋作者メーヘレンなどの章はカットされていたり、
ある程度の知識がある人を対象としているような感じかもしれないけれど・・・
しかし、メトロポリタンの名物館長が語る贋作秘話であり、とにかく最初から最後まで
すっごい面白かったので、興味ある人はぜひ読むべし。
ちなみに絵画だけでなく古代の芸術品とか彫刻の方が多いくらいなので、
絵画の贋作者のみ期待している場合は、別の本が良い。
トスカーナの贋作 [DVD]
ヨーロピアンな香りがぷんぷん漂う大人の映画でした。「ビフォア・サンセット」の大人版といった趣でしょうか。最初は著名作家と一ファンの交流だったのが、カフェの店員に夫婦に間違われてからは擬似夫婦のようになり、英語とフランス語、さらにはイタリア語も交えて、アートの論争や夫婦喧嘩を繰り広げます。まるでジュリエット・ビノシュとウィリアム・シメルの2人芝居を見ているかのよう。絶妙なカメラーワークや演技力により、見ている自分が相手と議論しているかのような錯覚にも陥りました。ちなみに、ウィリアム・シメルの本業はオペラ歌手だそう。十分に俳優としてやっていけるだけのルックスと演技力をお持ちです。個人的に主演2人が好みなので良かったですが、もしそうでなかったら途中で挫折してしまうかも…。
贋作 (河出文庫)
リプリーシリーズは、「太陽がいっぱい」→「アメリカの友人」→「贋作」の順に読んだ。
「贋作」の文庫版が絶版のようだったので、「太陽がいっぱい」の後に第三作「アメリカの友人」を読んだのだが、どうにも第二作を読まずにいられなくなり、古本の「贋作」を読んだ次第。
いまさらだけど、主人公トム・リプリーは嘘つきで悪いやつだ。でも読んでいて、ピカレスクロマン、悪漢小説を読んでいる気にはならない。逆に彼のことを誠実な人だと感じてしまう。正邪の境目がよくわからないというか、ないというか。私の友人が「嘘は突き通せば本当になる」とすごいことを言っていましたが・・・。
「太陽〜」も「アメリカ〜」も読んでからずいぶん経つので細かいことを覚えていないのだけど、トムの相手のことの考え度合いはこの作品が一番強いような気がする。贋作者のバーナードやその元カノ・シンシアに対して。ま、トムは自分勝手にいろんなことを思い巡らせてるだけなんだけど。
こんな相手への思いや美術・音楽・ファッションに関する想いが素直で誠実なだけに、トムが「手を下す」のも小説の読み手はすんなり受けてしまい、嘘つきで悪いやつの話なのになんだか嫌悪感も感じず、どちらかというと憧れを感じてしまうんだな。