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ここがウィネトカなら、きみはジュディ 時間SF傑作選 (SFマガジン創刊50周年記念アンソロジー)
なんだけど。なぜ、ヤングの「たんぽぽ娘」が入っていないのか。(お約束)
日本人SF者が大好きな時間ものを古今織り交ぜたアンソロジィ。
チャン「商人と錬金術師の門」(08年ヒューゴー賞・ネビュラ賞中編部門、09年星雲賞海外短編部門)を単行本に初収録。極端に寡作だが練りに練った短編で、SF者の間ではすでに盛名を馳せる著者。彼らしい専門用語を全く使わないハードSF(何せ、舞台はアラビアン・ナイトだ)で、人生の悲哀を切りとって描いてみせる。傑作。
古典SFのパイパー「いまひとたびの」(発表は47年!)は人生をやり直す物語。過去に戻るということを、こんなにも希望にあふれて肯定的にとらえることができるのは時代の産物か、著者の個性か。爽快な作品で、私は本書でこれが一番好みだった。
バズビイの表題作と、ショウ「去りにし日々の光」はリリカルな物語を求めてやまぬ我が同胞SF者(私もだが)には、まずお薦め。プリーストの「限りなき夏」もいい。
この編者には馬鹿SFがかかせない。「彼らの生涯の最愛の時」(ラブロマンスだが、wがつく)、「時の鳥」そしてスチャリトクル「しばし天の祝福より遠ざかり……」が極めつけに破天荒な馬鹿SF。人類全体が、ただ一日を700万年繰り返す。しかも意識を持ったまま。あの長門有希だって594年で飽きたのに、700万年って。考えたら負け。
時間ものには力のある物語は少ないけれど、読み終わったあとにホッとさせるもの、我が身をふりかえさせるもの、元気にしてくれるものが少なくない。疲れたときには、再読する時間SF。これが結構きく。
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FLASH IN JAPAN
おや、また、セルフカバーアルバムかなっと思って、喜び勇んで聴いてみると、なんと逆輸入盤の復刻盤だそうな。えっ、ホント?13年前ですって。と聴いてみるとこれまた音が凄く良い。まさに80年代の良質のAORがそこにあります。コンサートでもよく歌われる曲が多いのも、矢沢さんの思い入れもあるのでしょうが、良い曲達だからでしょうね。
タイトル曲の”FLASH IN JAPAN”などは、オリエンタル調に仕上げられてはいるものの、声が矢沢さんというだけの、TOTOやスティーリー・ダンなどを髣髴させる、そんな乾いたアメリカがそこあるんです。
.”TAKE IT TIME””LONG NIGHT(SAMAYOI)”そして”YOKO”は、ボクのヘビーローティーションとしてのお気に入りです。””HURRICANE”には、思わずにやけてしまうこと間違いなし。また、”UMBRELLA”は矢沢さんのライブフリークには涙物の一曲に仕上がってます。はぁ、はっ、はっ!
付け加えるとすれば、矢沢さんって、本当にスタジオ録音もライブ音源も、まったく差のないミュージシャンですよね。凄い、大好き、まさに惚れ直しの逸品です。
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マンハッタン・ミッドナイト [DVD]
ダイ・ハード4.0でマギー・Qのファンになり、この映画もDVDを借りて観て見ましたが、ダイ・ハードのときとはまた違ったマギー・Qの魅力が出ています。
しかし、映画自体はストーリーの意味がひどくわかりにくい上、登場人物の心理が主人公の殺し屋に都合よく出来すぎで違和感がかなりあります。
マギー・Qは主演ではなく助演で、主人公のアクションシーンが本来のメインらしいのですが、完全にマギー・Qに存在感をもってかれている感じです。
主人公のアクションシーンにかんしてはかなり疑問符のつく出来で、同じ暗殺者が主人公のジェイソン・ボーンの一連のシリーズを観てしまったあとでは恐ろしくお粗末な感じが否めません。
最大の魅力はマギー・Qの美しいヌードシーンでしょうか。