江口寿史のお蔵出し 夜用スーパー
1994年3月26日に『江口寿史のお蔵出し』を読んだ記録があり,17年も前に本書の第一弾を読んでいたのですが,全然記憶に残っておりません。(笑)それはともかく。本書では,カバーのイラストのように可愛い女の子の裸の絵(さらに過激なそんなことをしているシーンも)が結構載っています。江口寿史ファンは必読でしょう。よってファンの皆様向けとして星5つでいいと思います。ただ,ごく普通に1冊のコミックとして拝見した場合,私には,所詮「お蔵入り」したものはそこまでのものだなあという感じはいたしました。
本書の面白さは,大げさに言えば,ダ・ヴィンチのメモやカミュの『太陽の讃歌』『反抗の論理』を読むような,裏話というか「完成品にはならなかったけれど,こんなことも作家の頭の中にはあったんだなあ」とか,「このちょっとしたメモ程度のものがその後どこで生かされていただろうか」などと思えるところ。本書ではさらに江口さんが,先輩方の絵の真似がお上手なことも味わえます。私は谷岡ヤスジさんの真似の漫画がうれしかったなあ。
ストップ!!ひばりくん! コンプリート・エディション 3
『ストップ!!ひばりくん! 』の単行本は集英社版と双葉社版を持っているので、これが3度目になります。この小学館版は例の「少年漫画は死んだッ・・・」の続きが描き下ろされているという話なので、3巻目だけを買ってみました。
あとがきによれば「硬派激二郎!!の巻」の続きは当時のネームを元に再現したものとありますが・・・うーん、複雑な心境ですね。
正直に言ってしまえば、描き足された部分も「彼女(!?)はおれのものの巻」の描き直された部分も蛇足としか感じられませんでした。絵柄は何か気の抜けたような感じで、かなりの違和感があります。お話的にもこのオチは辛いものがあると思うのですが・・・。
ただ古くからの江口ファンとしては、巻末に収録された20頁に及ぶ没原稿にニヤニヤしっぱなしでした。これを没にしてしまうようじゃ、そりゃあ締め切りに間に合わないわけですよね〜。
WORKS
江口さんのイラストは昔からそれはそれは好きで、新装版の漫画が出る度に買ったり、よく知らないバンドのCDをジャケ買いしたり…いやもちろん曲もカッコよかったですが。
でもそれらのイラストを鑑賞するのは束の間、こちらのイラスト集はその何倍もの時間をかけて鑑賞できるので初めて満たされた気分になりました。
見たことのないイラストも思っていたよりあったので、買ってよかったです。
でもまた新しいのを出してほしいです。