ハーバード・ケネディスクールからのメッセージ 世界を変えてみたくなる留学
確かにこれだけ政治不振が続くと、国に何かを頼ろうとか、政党に何か託そうとか、そんな気分に正直なりっこない。
私も基本的に何か公共のものに期待するよりも、民間のサービスレベルの高いものを利用したいと思ってしまう。(時には投資したくなってしまう)
そんな中、財務省の池田さんがハーバード・ケネディスクールに留学する。
公共政策大学院ケネディスクールである。
政策社会主義から政策市場主義へ、今こそ変革の時期である。
理想はそうだけど、、、やはり日本じゃそうもうまくいかないよねえ、、と普通だと思ってしまいそうですが、池田さんみたいな官僚なら信じたくなります。
単なるケース・スタディだけでなく、フォーラムやフィールドワークなど充実ぶりはすごい。
その中でも一番気になったのがロナルド・ハイフェッツ教授のリーダーシップ論。
教授が沈黙してしまうんですよ。意図的に。
学生に人生の中で一番大切にしているフレーズを歌わせるんですよ。何度も。
「知恵への情熱」とは「問い続ける勇気」とのこと。
何事も、○○し続ることが大切だと理解している人にお薦めです。
その「毎月分配型投信」を買ってはいけない!
投資信託という商品に対して、これほどアグレッシブな姿勢で向き合うことを指南する本は珍しいと思います。実際に投資するかどうかは別として、投資経験者にとっては強炭酸飲料を飲んだようなスカッと感を感じる1冊ではと思います。かなり熟練した相場感(勘)を持っていないとこういう商品選択は難しいと思うので、投資初心者のシニア層とかにはちょっとハードルが高いかな、という気はしますが… 初心者のために、最悪のシナリオに陥った際の逃げ方まで書いてあげてたらなお親切だったかも。著者は新興市場、IPO、先物等ややハイリスクハイリターンの市場を専門に分析してきた方で、投資信託についてもその血脈を感じるものですが、分散投資ばかりが提唱される中であえてリスクを充分理解したうえでハイリターンをとりにいく、パフォーマンスを出してこそ投資、という最もシンプルで根源的なものを私たち投資家に再認識させてくれています。大事な事なので2度書きますが(笑)実際に投資するかどうかは別として、今のニッポン、ある意味この種の元気、必要かも、と思います。
金融動乱 金融庁長官の独白
もはや歴史の彼方になりつつある本邦バブル崩壊以降の長きに渡る困難な時期の金融行政に携わってきた元金融庁長官が、その歩んできた道を自ら振り返った異色の書。同時代を生きてきた評者としては、ああ、あんなことやこんなこともあったか、とうなずくことの多い読書となったが、当然ながら守秘義務もあることだろう、その語り口は重い。過日刊行された、西川善文氏の自伝ザ・ラストバンカー 西川善文回顧録のあまりの歯切れよさとは対照的だがそれは仕方あるまい。
ただ、終わり近くにある 「補論」では自らが引退した後のリーマンショックや欧州危機の話であるせいか、吹っ切れたかの様な書きぶりが印象的だ。
最後の最後で著者はこう書く「経済人としては、いたずらに政治の動きを待つのではなく、否応なしの環境変化に適応するよう、政府に先んじてリスクを取る気構えが求められる。」。仰る通りだと思う。
小説 金融庁 (講談社文庫)
旧UFJ銀行の検査忌避がベースになった物語な訳だけど、半分は抜群にリアル、半分はあり得ん、って感じです。
この間読み終わった消失-金融腐食列島【完結編】〜高杉良もそもそもは三和がベースだったので、ストーリー的にも登場人物的にもかぶる部分が多すぎで、しかも両作者共綿密な取材に基づきフィクションともノンフィクションとも言えない物語を作って行くので、「きっと本当にこういう人が居たんだろーなー」とか、「こんな事があったんだろーなー」と思って読んでみた。
ちなみに三和がやったとされている「緑化作戦」は今は旧東京三菱の「枯葉作戦」で駆逐されているとの噂は本当か・・・。
■読んで欲しい人
・金融庁の人
・銀行の偉い人
銀行交渉がうまくいく返済猶予成功術
銀行交渉術の本は何冊か読んでいるが
いずれも「煽った」コピーの割りに
対策に触れていない等、不満があるなか
この本の著者は中小企業の現実をよく理解されており、
コンサルとしての真摯な姿勢が伝わる良書だった。
銀行の融資を受けることは難しい、
しかし昨今の「中小企業金融円滑化法」で
融資を受けることが可能だとしても
返済をし、事業を継続することはもっと難しい。
この本には単なる「カネ」の話だけでなく
経営改善のヒントがつまっている。
売上さえ上げれば事業は回復するわけではない、という
件からも著者の「中小企業を救いたい」という
気概が感じられた。