神鷲(ガルーダ)商人〈上〉 (文春文庫)
「もしクレオパトラの鼻が1センチ低かったら、世界の歴史は変わっていただろう」と言われるが、「もし直美(デビ夫人)の鼻が1センチ低かったら」、あるいは「もし彼女が歌手でなかったら」日本とインドネシアの関係も今と違ったものになっていたかもしれないし、賠償ビジネスなるものが存在しなければ、彼女がインドネシアに行くこと自体が実現しなかっただろう。このように、国家と個人、歴史と個人の関係に思い至る作品である。そして、この作品を読む前と後では、デビ夫人に抱く印象も違ってくるはずである。エンタテインメント性も高いので、瞬く間に上下巻を読み切ってしまった作品でもある。
(これは上下巻を通してのレビューです。)
大東亜会議の真実 アジアの解放と独立を目指して PHP新書
本書の特筆すべき点は、テーマとなっている大東亜会議そのものよりも、その会議に参加したタイ、ビルマ、インド、フィリピン、中国、満州国と、不参加だったインドネシアの首脳から見た大東亜戦争が描かれていることだと思う。
もちろん彼らは様々な思惑を抱いて会議に参加するわけだが、大東亜戦争を「アジアに対する日本の侵略である」と単純視するならば、彼らが戦時下の東京にわざわざ赴き、東條英機が提案した「大東亜共同宣言」を採択したことを説明出来ないだろう。
大東亜戦争をアジアの視点で捉える場合、「日本の侵略により多くの人々が苦しめられた」ことばかりが強調されるが、本書に登場するアジア諸国の首脳の視点からはそれとは違った大東亜戦争の一面が見えてくる。そう言った意味で非常に参考になる著作である。
炎熱商人 (下) (文春文庫 (219‐6))
下巻は上巻より更にシビアーな交渉に主人公たちは臨むことになり、
経済情勢の変化を受けてその困難な状況を何とか打破しようと、
主人公たちは奔走します。
商売人としての理想を追い続けた上司を襲った悲劇は、
フィリピンでおきた実際の事件をモチーフにしているようですが、
奪うものと奪われるもの、先進国と後進国といった位置づけが
現代よりもっと深刻であった時代にそのような国々と商売を作り上げることが
どれだけ困難であったことか、生々しく感じるものがありました。
ただものを売ってお金儲けをすることが、商売人の本懐ではないなと感じました。
人間模様に富み、商売に懸ける熱い思いを感じることができる一冊です。
ワイルド7 [DVD]
原作からのファンです。
映画化の話は連載当時からあったそうで、今まで映画化されなかったのはバイクを7台を用意が出来なくて時間がかかったそうです。
今回7台のバイクを原作とは違う物のそれなりに工夫してちゃんと登場させ、さらに、「セブンレーラー」もきっちり作られて登場しているので、突っ込みどころは色々ありますが、映像化してくれただけでも今回は意義があると思っています。
配役も飛葉役の「瑛太」は最初はちょっと違和感を感じましたが、実際に映像を見ると飛葉らしさも表現されているシーンもあり、髪型も原作に合わせており、拳銃もちょっと型はちょっと違ってましたが、原作通り「コルトウッズマン」を使用していて良かった。
パイロウ役の関ジャニ∞の「丸山」も原作の両国とは全然風貌は違ったいましたが、髪型と時折見せる表情が良かった。
草波役の「中井貴一」は、原作ファンと言うだけあって、草波の性格仕草をよく事前研究していて申し分なかった。
セカイ役の「椎名桔平」は、余裕の演技で、いい男の死にざまを見せてくれました。原作者の望月先生との20年来の約束で「ワイルド7」の映画化の際には「飛葉」役でというのが、時間が経ちすぎて「飛葉」じゃなくて「セカイ」でしたという逸話もあるほど…。しいて苦言を言うとすれば、使用する拳銃は「モーゼルミリタリー」を使って欲しかった…。
オヤブン役の「宇梶剛士」は、見た目はどちらかと言うと「ヘボピー」でしたが、経歴からすると「オヤブン」で正解だったかと…、使用する拳銃も原作通り「コルトパイソン6インチ」を使ってくれていたのが良かった。
ヘボピー役の「平山祐介」は、もう少しセリフや見どころがあったらもう少しアピール出来た思えちょっと残念。
B.B.Q.役の「松本実」も原作で言うと「チャーシュー」の役どころで小さいながら目立ったいたが、見どころが少なく残念。ただ「ヘボピー」との会話の駆け引きは面白かった。てっきり名前の通り途中で丸焼けになるのかと思ってました…。
紅一点役本間ユキ役の「深田恭子」は、いままでのイメージを払拭し、冷静でクールな「ユキ」役をうまく演じてくれてました。ラストの革ジャンシーンはカッコ良かった。このシーンを見て今回のDVDが発売になったら買うぞと決めました。(笑)
ワイルド7 Blu-ray & DVDセット プレミアム・エディション(初回限定生産)
神鷲(ガルーダ)商人〈下〉 (文春文庫)
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