原辰徳 勝利をつかむ情熱の言葉
2009年は原監督の年となりました。名実共に球界を代表する野球人となりました。
そんな原監督が、2001年に監督に就任した年、「ジャイアンツ愛」という一見不思議な言葉を使いました。あの頃、正直「大丈夫かな?」と思っていました。しかし、最近の原監督の言葉を聞いていると、なぜか、「なるほど」と思ったり、心地良い感覚がある事が多くなりました。
先日テレビ番組で原監督のお父さん(原貢元東海大相模、東海大監督)を「原先生」と教え子たちが呼んでいる場面がありました。お父さんはすばらしい指導者だと思います。そのとき感じたのは、原(辰徳)監督も「原先生」なのではないか?野球だけではなく、野球を通じて、人間育成とか人として成長していくのを目指しているのではないかと思いました。
この本には、原監督が目指している野球が言葉によって凝縮してあります。それは、私たちにも通じる言葉ばかりです。この言葉で原監督から勇気や希望をもらって私たちも成長していこうと感じることができます。
構成は、言葉がページの真ん中に書かれていて、下のほうにその説明が書いてあります。言葉は全部で200くらいだと思います。私は、2時間くらいで一気に読んで、気に入った言葉は手帳に書きました。この言葉を私も選手同様に聞いて大事にしていこうと思います。
原辰徳 ―その素顔―
原の身近な人達に話を聞いて賞賛していく本です。原ファンにとってはおもしろいです。改めて原の野球人としての器の大きさに感銘しましたし、原の生き方のようなものを感じ取ることができました。すばらしい教育をお父さん(原貢氏)から受けて、取り入れていったからだと思います。野球界にこれほどの人格者はいるでしょうか。これからの野球界を引っ張っていくリーダーとして注目していきたいと思わせる内容の本でした。
原点―勝ち続ける組織作り
昨年、WBC、セリーグ、日本シリーズと三度の優勝をとげ、名監督への道を着実に歩む原辰徳の著書。
常勝チームを作るためのコーチング本と読むこともできるが、
同時期に発売された桑田真澄著"野球を学問する"と読み比べることで、さまざまな発見があった。
両者の決定的な違いは、学生野球の父と言われる、飛田穂洲の捉え方である。
原自身が、自分の監督の原点と位置付ける父原貢、そして、その原貢が本文において自分の原点が飛田穂洲の精神野球であると断言する。
一方、桑田は自身の経験、また画期的といわれる現役野球選手へのアンケートを武器に飛田野球への疑問を投げかけ、再定義を求める。
この二人の違いは、時代性の違いか、投手と野手の違いか、仕えた指導者の違いか、二人のバックボーンを考えながら読むと実に面白い。
後半、桑田は、飛田野球を再定義する、
練習量重視→練習の質の重視、絶対服従→尊重、精神の鍛錬→心の調和
そして、その主張が原辰徳の本分での内容とピタリと一致することに、さらに驚嘆をおぼえる。
思えばこの二人、同じチームでエースと4番として、監督と選手として、同じ目標に向かって突き進んだ時期がある。
スタンスは違えど、目指すべきところは同じということか、だから野球は面白い。