夢売るふたり オリジナル・サウンドトラツク
映画をみて、あ、このサントラ欲しいと思いました。日曜のポカッと晴れた日に聞いて、お茶飲んでゴロゴロしている時に
最適です。映画もTVドラマと違う松さんの凄みを見れておもしろいです。CGばかりの映画に飽きた人に見て欲しいです。
ふたり鷹 (11) (MF文庫)
ふたり鷹は言うまでもなく鷹という名前が付いた2人の男の物語です。
その終焉を迎える11巻ですが,果たしてこの物語のゴールを切るのはどちらの鷹でしょう。感動のラストです,全巻購入して楽しんでください。
夢売るふたり [特装版] [Blu-ray]
本作の予告編を観たときに、西川監督がコメディ映画を撮るのか? と思ったのですが、そんな部分も在るにはありますが、やっぱり毒が潜んでいました(苦笑)。
「ゆれる」で感情の表裏を描き、「ディア・ドクター」で善悪の表裏を描いた西川監督。本作では、女性心理の表裏か。仲が良かった夫婦が結婚詐欺を繰り返すうちに、本人ですら自覚していなかった己の深層心理と、お互いが知らなかった相手の本性に気づいていく。ふたりの関係が共犯者に変わっていく過程で見せる、男と女の駆け引きがスリルとアイロニーに溢れていました。
本作は、騙される女たちの物語でもあります。出版社OL、重量挙げ選手、デリヘル嬢など、満たされぬ思いに悶々としながら自分の気持ちに寄り添ってくれる男を求める女たちは、次々と貫也と里子の罠に落ちていく...。
里子という人間がわからないという質問に答えて西川監督は、「じゃぁ、私たちは自分の母や姉妹や、女友達のことを本当にどこまでわかっているのか?人間なんて何を考えているのかわからない生きものだし、わからないからおもしろい」と答えています。特に、妻という生きものにはわからない部分が多すぎる(苦笑)。
※以下、少々ネタバレ気味です
浮気して朝帰りした夫を熱い風呂に入れて問い詰める妻。気立てがよく笑顔を絶やさない働き者だった彼女から表情が消え、夫の嘘をすべて見透かすような視線を突き立てる。火を付けた札束を夫に投げつけ、心の奥底に眠っていた悪意に彼女が目覚めた瞬間の描写は、背筋が凍るとともに微妙にずれた空気がおかしさを誘い、この作品のテーマである人間の多面性を象徴するシーンになっています。
象徴的といえば、里子が、自慰をするシーンがあるのですが、詐欺を行うようになってから夫婦間のセックスがなかった事を示しているのでしょう。ただ、お互いに虚しさ感じながらも眠くなった里子を自分の足に“乗っけて”ベッドに行き、ぴったり寄り添って寝るシーンもあって、二人はまだ愛し合ってるのだと感じさせるものでした。たとえ体は繋がっていなくても...。
夫婦のすれ違いというか、木村多江の家に向かう阿部サダヲを、松たか子が商店街に飛び出していくシーンとかのすれ違い。妻の嫉妬の描き方。
カメラアングルや、場面の切り方も絶妙で、二人を写しながら、一人にフォーカスせず像をぼかし、もう一人にピンを合わせ表情を捕える。そして、その逆も。主演の二人の眼力が強いので、そのカメラワークが生きています。ただ、シーン切り替えにブラックアウトを4・5回使っていますが、ちょっと使いすぎかなと感じました。
音楽は、アコースティックギターの楽曲が最後まで静かにちょっと哀しく流れます。「ディア・ドクター」のエンディング曲「笑う花」を歌っているモアリスムという4人組のギター2人が、演奏しているようです。ゴンチチがブルースを弾いているいるような感じでなかなかイイです。
本作も、期待通りというか、やはりこの監督はすごい。最初から最後までストーリーの展開が読めない。「ゆれる」の最後も微妙な表情でのエンディング、そして、「ディアドクター」のエンディングは、鶴瓶の表情で、そして、本作も、松たか子の素敵な表情でした。最終的には『夫婦の愛』の映画でしたね。やはり西川監督の映画は面白い。
夢売るふたり [DVD]
人間の心理のえぐい部分を突いてくる。
これはピンチに陥ったとき、自分なら?という究極形のようだった。
また罪を重ねた者に言えるのだろうが最初はどこかにあった
罪悪感が罪を重ねるにつれ麻痺していく心理。
それもしっかり表現されている。この作品の良いところは
そうしたなかで役者がそのリアルさを内容を超えているのではと思うほど
リアルに演じていることだ。
西川美和監督は毎回面白いテーマを我々に向けてくる。
今回は展開に少々粗さを感じたが先述通り
役者がそれを凌ぐ勢いなので助けられていた面もあったのではないかと感じた。
夫・阿部サダヲが“稼いで来る”につれ、
女として1人取り残される孤独を演じる妻・松たか子がとくにリアルで
観ていてものすごく怖かった。共犯者とはいえ、やはり1人の女性なのだなと。