Gradation'12
レノン&マッカートニースタイルの今時珍しいタイプの3人組であり、その楽曲のセンスのねじれ具合たるやさらに珍しいわけで、そんな彼らの何気なく聴いていると思わず驚いて聴き直してしまうようなソングライティングが十二分に楽しめるアルバムである。
のだけれども、やはりこのアルバムに関してはとにもかくにも「リリー」ではないだろうか。
冷静に考えれば充分珍しいタイプの曲のような気もしないのでもないのだが(苦笑)、ANATAKIKOUのアルバムの中に入ると少し浮き上がって見えるこの「リリー」の普遍的な調べには心をどれだけ揺さぶられたことか。
非常に人に薦める際に相手を選ぶこのバンドの中で、珍しく誰にでも名曲だと自信を持って聴かせられる大名曲だ。もちろん、アルバム自体も実に素晴らしい。のだけれど、やはり少しは人を選ぶところがあるような気はしないでもない。
きいちご
レビューを書こうと思ったけど、私の言いたいことはすでにピナクルさんが言ってくれています(一面識もないけど)。
付け加えるとしたら、このバンドの唯一無二的な魅力です。その魅力はメンバーさん達の「音楽が好き!」という気持ちから発生しているように思います。独創的というとテクニシャンすぎるのを創造するかもしれませんが、そうではなく、「好き」が「音楽に対する敬意」にまでなっているような初々しいストレンジ感が、ヘタウマ感を生み出しています(ヘタウマが失礼だったらごめんなさい。でも誰にも真似できないという意味の最高のほめ言葉です)。
前回、うちのステレオを買い換えたのは、ANATAKIKOU が Gradation 12 を発売したときでした。それは、どんな音も聞き逃したくないと思ったから。そして、今、またステレオを買い換えようかと思っています。音楽をますます好きにさせてくれるバンドです。ぜひ、ご一聴を!
YELLOW MATADOR
優しい旋律としみじみした歌詞が魅力的である。
ボーカル要員が二人おり、ぞれぞれ自作曲のメインボーカルを取っているが、
どちらも軽やかで暗めのパステルカラーを思わせる。
簡素で明るいギターポップ調ロックが好きな方にオススメの一枚。