安部英医師「薬害エイズ」事件の真実
「薬害エイズ」事件の悲劇の裏に
1.「ことの本質を理解せずワンパターンでしか考えられないジャーナリスト」がある人物を悪者と決め付け一方的な報道を行ったが、
2.その分野の専門家からすればその報道が事実と反することは明白であるにもかかわらず、
3.検察が報道や世間の空気などに左右されて誤った判断を下し、
4.最初の報道が誤りであったことが明らかになっても、マスコミは自分のミスを報じないため世間にひろく知られることがない。
というマスコミと司法の問題点が隠されていることが事細かに、しかしわかりやすく説明されています。
本書で書かれているとおり「日本人はエイズ問題から科学や医療の本質を学ぶ良い機会を失った」結果、「悲劇はまだまだ他にもあるし、また起こ」っていることは環境ホルモン空騒ぎ、青色LED特許紛争、割り箸事件、大野病院事件など同様な経緯をだどった事件がなくならないことを見る限り明らかでしょう。
いままでは、ほとんどの場合裁判所は最終的には合理的な判断を下していました。それができたのは、事実判定の専門家である裁判官が時間をかけて慎重に判断を下してきたからでしょう。しかし、裁判員制度が始まってしまえば、われわれがその判断を短時間でしなければなりません。一人でも多くの人にこの本を読んてほしいとおもいます。