終電車 (マーガレットコミックス)
面白い。透明感のある絵に、テンポのよいストーリー、ぐっとひきつけて、最後まで書きすぎず読者にエンディングを任せて…
ストーリーがハッピーエンドかアンハッピーエンドかを読者に任せるストーリーは読んでて消化できないときもあるのですが、アルコ先生の話は明るい終わりを匂わせてくれているので、読み終わったとに、ほっこりとした気持ちになれます。
同時収録のアンドリューも面白かった!!アルコ魂、ここにあり、って感じです。
俺物語!! 1 (マーガレットコミックス)
他のレビュアーさんのレビューを読んで惹かれたので、読んでみました。
そして、引き込まれました。
物語に浸っているうちに自然と、
人に優しくする為の勇気が湧いてきました。
人は、拒否されることの怖れから、優しくする為の勇気を持てずに、
無関心や悪者に留まってしまうように思います。
しかしこの世界の人物たち、とりわけ主人公の剛田は、
そんな選択肢を一切持たず、気持ちいいくらいに常に一択、
「どうしたら相手が幸せか」ただそれだけです。
それでいて女心に鈍感な剛田が勘違いで突っ走りつつも、
心の内では繊細に戸惑っているギャップが見事に描かれています。
表面上の会話はコメディタッチで進みながら、
会話の中に挟まれたモノローグでシリアスな内面を描き、
セリフと展開のリズムが非常に小気味良く、
登場人物たちの掛け合いが秀逸です。
ストーリーの大筋はラブコメでありつつも、
自分にとっては主人公剛田と友人砂川との友情物語の印象も受けました。
今どきの高校生らしからぬピュアで実直な登場人物たちの日常は、
痴漢を捕まえたり、川で溺れている子供を助けたり、工事現場の鉄柱が倒れてきたりと、
現実ではあり得ないが漫画ではベタな事件の連続。
人間のリアルな汚さは完全に排除されていますが、
人の本質的な部分だけを切り出したら、
みんなこの登場人物たちのようにピュアなものかもしれないなと思いました。
シンプルながらきれいなストーリー、展開、魅力的なキャラクターと、
そして何より、少女漫画のキラキラした空気の中、
ギャグ漫画から抜け出してきたような、丸の中に点だけの目をした主人公が
ちゃっかり溶け込んでいる画力にやられました。
マーガレットコミックスですが、
自分と同じ男性に広がる機会があればいいなと思いました。