ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)
ファミ通文庫から出ていたため、また、そのやわらかい表紙絵から、ライトな小説だと思うかもしれませんが、想像以上にしっかりしたSFです。
文体はやわらかく書かれてますが、内容はすごくよく作られていて読み応えがあります。
特にラストの突き抜けた爽快感がたまらないです。
長らく絶版状態になっていて、しかも星雲賞受賞作という堂々とした作品のため人気が高く、ファミ通文庫版の古書はプレミアがついて定価の数倍の値段で売られていましたが、現在はハヤカワ文庫から再版されていますので定価でお求めいただけるのではないでしょうか。
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いよいよ最大のミッションは、思わぬ事に。
はらはらどきどきひたすら燃える展開の中にも、
宇宙開発の本質を博士のセリフでさりげなく表現するなど、
なかなか感心させられます。
今回だけではないですが、WOWOW放送時のものと比べると
かなりの部分で絵の修正が入っているようで、完成度は上がっています。
オマケとしてむっちり先生のかわいいポストカード付き。
また3分ほどのパイロット版も収録されていますが、
これがかなり違う絵なので興味深いと思います。
南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)
表題作から繋がる連作集です。各中篇とも世界が同じで時間軸もほぼ同じ(読み進めることで時間経過はあります)なので、各作品がちゃんとリンクしており、最後の書き下ろし作品に繋がってきます。
野尻作品で今作に近いのは、ファミ通文庫の「ふわふわの泉」になるでしょうか。そういった意味ではラノベ枠でも良いと思います。しかし当然のことながら11年という月日が「ふわふわの泉」よりも、良い作品を生み出しています。あちらはなんだか最後投げっぱなし感があったのですが、今作はちゃんと締められてましたしね。
作品としても充分面白いですが、ニコ動技術部およびボカロ曲(特に初音ミク発売初期ブームの頃)が好きな方は、さらに楽しめると思います。(作中では「ピアピア動画」として書かれています)
逆に、表紙だけ見て読むのをやめるのは勿体無い作品でもあります。
血肉は沸き躍りませんが是非。
沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)
良質のハードSFです。表題作の「沈黙のフライバイ」はファースト
コンタクトものなのですが、人類から選ばれたヒーロー(達)が攻め
て来る宇宙人と戦ったりはしません。有能ではあってもただの技術
者が対応することになります。無駄に血圧を上げる物語でないとこ
ろが、著者らしい気がします。
ところで、最後の部分で映画「未知との遭遇」のシャンデリア宇宙
船を思い出しました。「きれいだけど、リアルじゃない」と思った
物ですが、本作で出て来るのはよりリアルで、異なる美しさをもっ
た何かです。お楽しみを。
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他のアニメと比べて絵がすばらしいわけでもなく、CGが凄いわけでもない。
なのに見ているとそんな事が気にならない…
ストーリーと展開の軽快さがそうさせていると思います。
原作は小説なのですが、小説を読まないと内容がわからなくなる事もなくとても楽しめました。
こんな楽しいアニメがWOWOWでのみ深夜にやっているなんて…