去年マリエンバートで HDニューマスター版 [DVD]
洋館の中で繰り返される上流社会の饗宴、無表情の男女。
しかしある人から一方的に語られる二人の思い出が、
だんだん、本当に思えてくる…
女(デルフィーヌ・セイリグ)が纏う衣装は美しく、
モノクロで映し出される洋館にしても、
レトロな雰囲気が好きな方は好むと思います。
ひとつの絵画のような映画と思います。
自分のお勧めはこの映画の音楽。
まずタイトルでは、わざと前時代の映画風なオーケストラが流れ、
主人公が閉じ込められている社会を象徴しているように思えます。
それから始まるパイプオルガンの音楽が
この映画の最大の立役者(!?)。
不思議な音階を奏でながら全体を包み、
確実に主人公を「逃避」へと進めていきます。
この映画の音楽担当:フランシス・セイリグは
メシアンの弟子だったそうです。
自分はBSで放映された際、
特に音楽が気に入り、この映画が好きになりました。
オルガン音楽の中で、唯一旋律らしい旋律のある
短調のワルツも好きです。
去年マリエンバートで [Blu-ray]
いくら観てもよく分からない映画ではあるが、何となく恋愛というのはそういうものかという感想も持った。昨今はメリット・デメリットをうるさく言うことも多い男女関係だと思うが、そういう中でもなんとも言えない不思議な展開というのが恋愛というものにはあるのだと何となく思う。30年近く前に名画座で観たが、こういう不思議な作品を現代の日本を舞台にして誰か撮ってもらいたいものだ。現代のパリを舞台にしたくだらない映画よりもずっと世界でヒットすると思うが。
去年マリエンバートで [DVD]
リマスタリング、DVD化にあたって本編部分は
LD版の時と「凄く変わった」ところは特に無い様にみえます。
その点、安心してオリジナルのよさを堪能する事ができるともいえるのでは。
難解で曖昧模糊としたストーリーは見る人によって
好き嫌いが激しく分かれる事と思います。だけど、ドイツの古城で撮影
された全体のB/Wのトーンの美しさや、あのCHANELによる華麗な
衣装デザインを楽しむには格好のソフト。
ダークな美意識が結晶した作品です。ただ、部屋の中でダラッと
流しておくだけでもいいですよ。
去年マリエンバートで【字幕版】 [VHS]
学生のときにはじめて見て、映像が作り出すダークさに心を奪われ、以降しばらくの間、何回も繰り返し見ています。
ストーリーを期待しちゃうと滑りますが、雰囲気は抜群。
ただ、その映像を流しておくだけでもいいかも。
バロック的なもの、スタイリッシュで耽美な雰囲気を
求める方に、お勧め。