雨にぬれた朝~ヴェリー・ベスト・オブ・キャット・スティーヴンス
最近、CMでも流れているのが”モーニング・ハズ・ブロークン”(雨にぬれた朝)。映画、タイタンズでは”ピース・トレイン”が使われていました。”ムーン・シャドウ”もいい曲です。アコースティック・ギターのコピーには持ってこいです。やはりイスラム教に改宗したせいなのでしょうか、レコード会社の扱いは小さいのでは。過去にだしたアルバムのCD化がされても不思議ではないと思うのだけど。アメリカがダメなら日本で、というのは無理なんでしょうかねぇ。今、10~20代の人も必携のアーティスト、聞いて損はない。
Very Best of Cat Stevens
70年代、優れたシンガーソングライターとして、いくつものすばらしい楽曲を残したアーティスト。
1. Matthew & Son('67年全米115位、全英28位、オランダ21位)
2. The First Cut is the Deepest
3. Lady D'Arbanville('70年カナダ69位、全英8位、オランダ2位)
4. I've Got a Thing About Seeing My Grandson Grow Old (previously unreleased)
5. Wild World('71年全米11位、カナダ14位)
6. Where Do the Children Play?
7. Hard Headed Woman
8. Father and Son('70年オランダ28位)
9. The Wind
10. Morning Has Broken('72年全米6位、カナダ4位、全英9位、オランダ5位、ノルウェー4位)
11. Moonshadow('72年全米30位、カナダ26位、全英22位)
12. Peace Train('71年全米7位、カナダ3位)
13. Sitting('73年全米16位、カナダ14位)
14. Can't Keep It In('72年全英13位、ノルウェー5位)
15. Foreigner Suite (excpert)
16. Oh Very young('74年全米10位、カナダ9位)
17. Another Saturday Night('74年全米6位、カナダNO.1、全英9位、オランダ27位)
18. Majik of Majiks
19. (Remember the Days of the) Old Schoolyard('77年全米33位、カナダ27位、全英44位)
20. Just Another Night
#5はマキシ・プリースト、MR.ビッグがカヴァーし、その際立った才能を証明している。
#10の「雨にぬれた朝」は日本でもコーヒーのCMに使用されリヴァイバルした。
アルバム・チャートでは全米58位・ゴールド、全英6位、スウェーデン2位、ニュージーランド7位、オーストリア22位、スイス86位をマーク。
本作は70年代がつまった、イイ感じのベスト盤です。
MAJIKAT ~アース・ツアー 1976 [DVD]
30年も前からのCatStevensのファンです。これまで、意外と映像の供給が少なかったのは円熟時に引退してしまったためなのか?NHKでのライブ映像を見ただけだったので待ちに待った待望のDVDでした。ライブは非常にリラックスした感じで始まりましたが、終盤に進んでいくにしたがって一寸雲行きが....このツアーを最後に引退したようですが、マイクセッティングにぶちぎれたり、脈絡のないMCが有ったりと、この時期のCatの心理状態が垣間見えるのがとても興味深かったです。ただし、相棒のアランとは信頼関係も厚いのだなと思わせる場面もあったりしました。演奏は本当に楽しそうで、自分のミストーンに苦笑い続けたり、曲の合間のMCも非常に面白く、演奏に関しては十分満足できる内容です。絶対おすすめ!また、インタビューの最後に今後はまた歌うのかな??と思えるメッセージも有ったりで、期待していいのかな??
ブリティッシュ・ロック・ヴュージアム Vol.1 GOLDEN ERA OF BRITISH BEAT 1 [DVD]
ドイツで放送されていた音楽番組『Beat! Beat! Beat!』で放送された1960年代の英国のロック・バンドの演奏を収録した映像集。
『Viewseum』というのは造語なんでしょうが、まさにロックの博物館と呼ぶにふさわしい貴重な映像が多数収録されています。
自分では1960年代のバンドの映像はそれなりに見てきたと思っているのですが、このDVDに収録されている映像のほとんどが初見のものでした。
また、一部を除いて所謂口パクではなく実際に演奏している映像であるというのも、また嬉しいかぎりです。
もっとも、音源は別に録音して映像はそれに合わせているという可能性もありますが、それでもレコード音源と異なるLive音源であることには間違いありません。
第1巻にはジミー・ペイジ在籍時のヤードバーズやスモール・フェイセズやアニマルズといったメジャーどころから、後にディープ・パープルに加入するイアン・ギランやロジャー・グロヴァーが在籍していたエピソード6やケイシー・ジョーンズ&ザ・ガバナーズといった滅多にお目にかからないようなバンドまで、12組のミュージシャンによる33曲の演奏が収録されています。
Very Best of
70年代初め。ジェイムス・テイラー、キャロル・キング、エルトン・ジョンをシンガーソングライターの「御三家」などといった。すると英国の若者だったキャット・スティーブンスは第四の男ということになるのか。70年代、愛と平和のヒットを連発して時代を駆け抜け、30歳の頃に突如イスラムに改宗して音楽界を引退してしまった男。いまはどうかしらないが、イスラム過激派擁護の発言で、米国で彼の歌が放送禁止になったときいたし、米国が入国拒否!の話題もあった。
1971年のヒット曲、「ムーン・シャドウ」で始まる。美しくも優しいアコースティックな弾き語りだが、”もしも私が眼を失ったら、もう泣かなくてすむようになるだろう”などと、20歳内外の若者とおもえない達観したような詩が印象的な佳曲。二度と会えぬひととなった恋人との永遠の別れをせつなく唄う「白いバラ(Lady D'Arbanville )」はジリオラ・チンクエッティのカバーで有名になった名曲。「ワイルドワールド」「ピーストレイン」と、ヒット曲はいずれも愛や平和をうたうもの。「嘆きのリサ(Sad Lisa)」は発表当時、「雨にぬれた朝」か「ピーストレイン」のいずれかのシングルのB面だったかとおもうが、「白いバラ」に匹敵する美しいバラッドで、後半の弦楽の響きとエンデイングがすばらしい。そして彼の最も有名な大ヒット曲で、流麗なピアノのイントロで始まる「雨にぬれた朝(Morning has broken)」。最近でもCFなどで使われるが、もともとは賛美歌だったものを彼の世界にアレンジしたもの。
イスラム改宗後の彼に何が起こったかはわからない。でもこれは、才能を開花したばかりの、心優しく、純粋な英国の若者の、愛と平和への想いが伝わってくるような、70年代、世界で評価された音楽世界。最近、トロントで、カナダ人の友人がこのベストをずっと聞いていたのを思い出します。米国と扱いがちがうのかな、などとおもった。個人的には名盤「ティーザー・アンド・ファイヤキャット」の中の佳曲「イフ・アイ・ラフ」がはいってなくって残念。それで満点まではいかず、でも星4つです。