ギル・シャハム&エティンガーの芸術 [DVD]
ハイドンではエッティンガーがチェンバロも担当して弾き振りを披露している。
シャハムの奏する二楽章冒頭のへ調長音階がこの上なく美しい。
ブルッフはシャハムは10代の頃にシノポリと協演したCDがあるけれど
その時よりもパワフルに仕上がっているように感じた。
シャハム、エッティンガーは互いに鼓舞しあって熱く強い音楽を作り上げ
精神性と外面的な要素が噛み合って、聴く者を捉えて離さない演奏に仕上がっている。
ベートーヴェンはオーソドックスに真っ向勝負。
IPOのメンバーのソリストとしての力量にも感心させられた。
熱くなりたい人におすすめの一枚。
ちなみにDVDカバーのシャハムの綴りが
私の買ったものは「Shacham 」と誤植されていて
いつかプレミアが付くかな〜と期待している。(笑)
Violin Concerti
巷で評価の高いムターの演奏は、感情の没入を排除した演奏で、その無表情さが面白くなかった。チョンの演奏は、ムターとは正反対で、感情没入型で大好きなのだが、かなり荒っぽい部分もあり聴く側の好みも激しく分かれるだろう。
このシャハムの演奏は、とにかく抜群に上手だ。ヴァイオリンの音が素晴らしく綺麗で、それはまるで研ぎ澄まされた刀のよう。黙々と弾きこなすでもなく、感情に入り込み過ぎるわけでもなく、バランスがとても良い。間違いなく自分にとってはベストCDであり、このCDに出会って以来、この曲のCDは購入していない。
ヴィヴァルディ:四季、他
予め、報告致します。
クラシックについては初心者です。
フジコ・ヘミングのショパンのノクターン第2番が好きな邪道?組です。
さてさて、内容ですが「4Dデジタル録音」という録音が今風に聴きやすくにぴったりです。
「ヴィヴァルディ」の「冬」が聴きたい人は買ってみてはいかがでしょうか?
安価なケーブルで何回聴いても飽きの来ない演奏でGOODです^^。
あぁ、レンジが広いオーディオシステムが欲しい・・・
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲
ギル・シャハムとシノーポリ指揮のフィルハーモニア管弦楽団によるメンデルスゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を収めたCDである。録音はメンデルスゾーンが1988年8月、チャイコフスキーが1991年12月と記されて居るので、シャハムが、17歳と20歳の時の録音である。
先ず、メンデルスゾーンが最高である。この録音に聴くシャハムのヴァイオリンは、明るさを抑えた重厚な音色で、17歳の若者がこんな音色のヴァイオリンを弾いたとは信じられない思ひである。私がこれまで聴いたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の中で、これは、最高の演奏の一つである。
その一方で、チャイコフスキーには少々疑問を感じた。と言ふのは、シャハムのヴァイオリンの音色が余りにも重厚なので、チャイコフスキーのこの曲に、この音色はそぐわないのではないか、と思ふからである。だが、このチャイコフスキーも、シャハムがまだ20歳の時の演奏なのである。(!)ヴァイオリニストには、例えばヒラリー・ハーンがそうだが、十代の時には十代でなければ弾けない様な音楽を奏でて居たヴァイオリニストが居る。しかし、シャハムは、十代の頃から、こんな重厚な演奏をするヴァイオリニストも居る事の例の様である。
(西岡昌紀・内科医)