わたしを断罪せよ
私が考えるに、物事を表現するという営為には次の3つの過程が含まれます。
第一に自分の中に抱えている問題を発見し、それを提起するという過程。
次に提起した問題に面と向かって取り組むという過程。この時にその問題を解決できればよいのですが、必ずしもそううまくいく訳ではなく、散々悩んだ挙句にも拘らず、この問題を解決できない場合もあります。
そして最後の過程として、問題を真正面から見つめ続けた中で見えてきたもの、それはその問題の解決法かもしれませんし、その問題の側面といったそれに関わるものかもしれませんし、またはその問題とは直接関係ない別の何かかもしれませんが、そういったものを的確に表現するという過程。
この3つの過程経た後に作品が完成するわけですが、その作品の出来や質は、これらの過程をどれだけ自分に忠実に行ったかにより決まってきます。このことは簡単なようで意外に難しく、例えば作者が意識しないところで見えてきた問題から逃避している作品は実に枚挙に暇がありません。
この3過程を極限までに自分に忠実に出来る人、それは私が知る限り岡林信康氏をおいて他にいません。
勿論、その彼も全ての作品においてそれが出来ているわけではありません。代表作「山谷ブルース」もどこか斜に構えている部分があります。
しかし、例えば「手紙」は、完璧なまでにそれが出来ているのです。彼が「フォークの神様」と言われる所以は、そこにあるのだと私は思っています。
この「手紙」という作品、放送禁止歌の最たるものとして知られています。また今後岡林氏がこの作品を歌うことは無いだろうと言われています。
日本音楽史上最高の名作「手紙」は、もうこのCDでしか聴くことは出来ません。
もう、このCDでしか、今の私達には彼に授けられた天賦の才能に触れることは出来ないのです。
それでもあなたは、このCDを手に取らないでいるおつもりですか?
サトウハチロー―僕の東京地図
昭和11年当時に朝日新聞に連載されていた記事の復刻だそうだ。
サトウハチローは叙情豊かな詩人として有名だが、また不良少年としても名高い。
とはいっても極道というよりちょっと元気なあんちゃんといったところだろう。
本文での語り口もいろいろな商売の符丁を織り交ぜた、言ってみれば寅さんのような
啖呵売口調で東京の街を紹介してまわる。今はどうなっているのか、食べてみたいなどと
考えながら読み進めるていくと東京をひとまわりするようになっている。
そして何よりも優しそうな顔のハチローを始め当時の写真が楽しい。
伊沢ハチロー驚異の舟券1点勝負―誰にでも簡単にできる厳選投資法 (サンケイブックス)
ギャンブルでの「コマの上げ下げ」の本。
舟券をどうやって当てるかの記述はほんの少しです。正しい資金計画と統計・確率を重視した賭け方で、ギャンブルを投資にする方法が書かれています。