人間椅子 [DVD]
乱歩生誕百年を迎えた平成六年頃から、乱歩作品に欠かせないフェティシズムに主題を置いた映画が相次いで作られました。
中でも名実共に傑作の呼び声高いのは、やはり名匠・実相寺昭雄監督による『屋根裏の散歩者』『D坂の殺人事件』と言うところで、
これは、このレビューをチェックしている方なら、もう当然にご承知のことでしょう。
とは言え、内容がフェティシズム・・・上記の作品ですら上映規模が小さかったのは無理のないところです。
ましてや、本作『人間椅子』は、極々ひっそりと上映されていたので、ご存じない方も多いのでは。
しかし、本作は実に名作です。
乱歩作品におけるフェティシズム、特に乱歩言うところの「触感芸術論」の極致とも言える名作短編『人間椅子』の世界観を崩す事なく、
かつ原作よりも一歩深く掘り下げ、主人公の女性(演:清水美砂)が病的なまでの潔癖性から、
視覚以外の全身で感じる触感の世界に目覚め溺れ込んでいく様を丁寧に、幻想的に描いています。
絵も綺麗で、構図を始め、衣装やセットなどの美術も奇をてらう事なく、大正・昭和モダニズムを見事に真面目に再現しています。
乱歩原作の映画としては珍しいハッピーエンドに、見終わった後の気分も極めて爽やかです。
小品ながらバランスよくまとまった、まさに隠れた名作だと断言します。乱歩ファンなら見逃せません。是非一見を。
119 [VHS]
火事なんてもうずっと起きてない、静かな町の消防団のお話。
「消防士は待つのが仕事なんです」
そこへやってきたきれいな女性に大興奮の団員たち。
淡々とした日常の中の喜びや悲しみを、竹中監督ならではのマニアックな笑いを織り交ぜながら描いていく。
ちなみに若き日の浅野忠信さん、津田寛治さんが出演されています。こちらも見もの。
彼女たちの時代(2) [VHS]
このドラマが放送されてた当事私は16歳でしたが、
深美、千津、次子、3人の26歳の女性達の友情に
憧れてました。大人になってからの友達って何か
いいなって思わせてくれるドラマです。
自分が26歳になったらもう一回見てみたいです。
ぬくぬく [DVD]
この原作の漫画が大好きで、DVD化を楽しみにしてました。
男やもめの山田さんと、愛猫のしま。
1人&1匹の何気ない日常を、ホノボノと綴ってます。
内容は「なんてことのない猫との日常」なのですが、猫を
飼っている人なら思わず「そうそう」と漫画同様目じりが
下がってしまいますね♪
主演の温水さんは生粋の猫好きだそうですが、なるほど
画面からもその様子が伝わってきます^^
しま役を演じた紫苑ちゃんも、秀逸です!!
山田さんが野良猫ウォッチングに出かけるのですが、野良猫
たちも本当に逞しく可愛い猫たちばかり。
特典には、しま&子猫たちの様子もたっぷりと収録されて
いて、お得感も一杯!
(しまの子猫時代役の子猫ちゃんは、紫苑ちゃんの本当の子猫
だそうです。親子出演ですね♪)
本当に癒され可愛いDVDでした☆
音楽もいいですよ。
余談ですが、私がコレを観てる間・・
我が家の愛猫たちが画面に釘付けでした(笑)
彦馬がゆく (PARCO劇場DVD)
amazonのユーザーの皆さんに朗報です。(株)PARCOから発売されているパルコ・プロデュースによる三谷幸喜の一連の傑作舞台ライヴが、DVD−ROMとのコンテンツではありますが、当amazonでも購入可能となりました。
今や演劇界のみならず、映画、テレビ、出版と八面六臂の活躍を見せる三谷ですが、彼は劇作家ゆえ、その真骨頂は、言うまでもなく舞台にこそあります。
東京サンシャイン・ボーイズ時代から、その舞台を追い続けている者として、いつも感心するのは、ほぼ毎年打たれる新作が例外なく面白いと言う事実です。
今回、amazonで購入出来る作品群は、三谷がテレビや映画の媒体でも成功し、広く世間にその名を知らしめてからの作品ばかり。
チケットを取るのもひと苦労なその作品群を殆ど総てライヴにて鑑賞し、またDVDも所有しているコアなファンとして、関心を持たれる方に、どの作品からご紹介しようかと考えた挙げ句チョイスしたのが「彦馬がゆく」です。
江戸末期の浅草、当時としては画期的な写真撮影を生業とする神田写真館の人々。
家長の彦馬(小日向文世)に妻の菊(松金よね子)、長男陽一郎(伊原剛志)、次男金之介(筒井道隆)、それにひとり娘の小豆(酒井美紀)からなる賑やかにして微笑ましい名もなき一家が目撃する激動の幕末期。
写真館だけに、時の有力者たちが相次いで訪問。その顔ぶれも、坂本龍馬、桂小五郎、西郷隆盛、高杉晋作、伊藤博文、近藤勇、つまり、その後の“歴史”を作った錚々たる面々。
幕末を動かした偉人たちが右往左往する全5幕。計3時間半にも及ぶ長編です。
とにかく、三谷らしい軽妙な台詞の応酬とテンポ良い展開が絶妙。
幕末から明治維新を疾風の如く駆け抜けた偉人たちも、三谷の手に掛ると、どれもデフォルメされるだけではなく、極めて人間的なキャラクターと転じます。
その滑稽さと情けなさ、でも、みな愛すべきひとりの人間として描かれているんです。
温水洋一の西郷隆盛、梶原善の桂小五郎なんて、そのキャラ像だけで、笑いがこみ上げてきます。
NHK「新撰組」とはまた違う三谷流幕末ドラマ、大いに笑わされながら、時代の濁流にのみ込まれながら、幕末を生き抜いたのは偉人たちばかりではなく、庶民もまたそれぞれに強く生きていたとの思いを感じさせます。
「それでは、人生で一番愉快だった日の事を思い出して下さい」
「メリー・クリスマシ!」
「左から〜、ひとり置いて、〜」
ご鑑賞された方たちなら思わずニンマリしてしまう事請合いの数々の名セリフと共に、三谷の傑作舞台をどうぞお楽しみ下さい。
(付記)今商品ソフトは、飽くまでDVD−ROM版ですのでお間違えのないように!
DVD版を購入したい方は、PARCO通販にて可能です。