クリスタルキング(紙ジャケット仕様)
クリスタルキングファーストアルバムの紙ジャケット仕様がついにリリースされました。
紙ジャケは賛否両論あります。きちんと蓋ができない。サイズが大きい。取り出し難いetc・・・。
しかし、クリスタルキングはアナログ時代のグループです。CDなんて未来の話しでした。
なので、私はレコードに近づけた紙ジャケ仕様を支持しています。
そして泣かせるのが曲の多さです。オリジナルに加え、ボーナストラックが4曲も収録されています。CDだからできたサービスです。
このアルバムの最大の魅力は、何と言っても「大都会」が収録されていることです。ベストテンの1位を数ヶ月奪い続けた化け物です。
ただ、このアルバムから「大都会」をDAPに移動させることには、ちょっと無理があります。1曲目の「BEGINNING」の最後とクロスフェード録音されているので、「大都会」の最初に1曲目の終わりの音が入ってしまうのです。
当時をありのまま再現したアルバムなので、「大都会」にしか興味の無い人は、ベストアルバムを購入しましょう。
しかし、当時のクリキンファンなら、このアルバムに収録された曲の一つ一つの完成度の高さを知っているはずです。
私は「何処へ」「時流」が好きです。高い声を出せなくなったボーカルの田中さんの魅力が、この2曲で爆発します。もちろん「大都会」も好きですし、他の曲も文句が付けられません。
但し難点はあります。今回ミキシングを担当したエンジニアの人が誰かに頼まれたのか。あるいは勝手にやったのか。
演奏と歌唱をいじったようで、中高域が強められ声にも楽器にも不自然な輪郭ができています。
よって前半は迫力のある曲としてご機嫌に聴けますが、後半以降は耳が疲れてきます。
このことは別アルバム「eleven carats」と比較して聴けばすぐに分かります。
更にこのアルバムは使用回数が多いので、マスターテープがかなり疲労しています。よって、ヒスノイズがかなり大きいです。
とは言っても、曲の素晴らしさが消えるわけではありません。存分にクリキンをお楽しみ下さい。
私もDAPへ非圧縮で入れて、毎日のように聴いています。
田中さんの声をギンギンに楽しみたかったら、迷わずこれです。
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ポプコン・マイ・リコメンド クリスタルキング
音楽の一つの頂点として未だ輝きを失わない「大都会」から、アニメの「北斗の拳」の曲まで、ほぼクリスタルキングのポヒュラーな曲を網羅した、究極のベストアルバムです。
まず感心させられるのは、録音状態です。当時の録音エンジニアがミックスダウンした音を全くいじっていません。
説明書きには、リミックスが入っているようですが、アルバムに収録されていた曲に関しては、ミキシングコンソールで音を加工した形跡は聴き取れません。
「大都会」を聴けば明らかです。アナログ的な声。細部まで出力される演奏。全てアナログで録音された名曲は心地良く、聴き終わった時に感動が込み上げて来ます。
また、「北斗の拳」の「愛をとりもどせ!!」は、リミックスされていると説明で書かれておりますが、比較試聴したところ何ら音に変化は見られませんでした。
そんなこと以前に、さすがはクリスタルキングです。アニメの曲だからと言って手抜きは微塵もありません。他のCDのようなモヤつきがなく、かなりカッコいい「愛をとりもどせ!!」を堪能できます。
CDに付いて来る帯には、「当時のオリジナル音源そのままに!」(「愛をとりもどせ!!」に関しては)と書いてあります。なのでリミックスは嘘です。していません。
クリスタルキングの時代はレコードの時代でした。「大都会」が一家に一枚状態になり、その後はEPレコードを出せば売れる状態に発展。ファンはアルバムも出れば購入する一つの時代を制覇しました。
そして「愛をとりもどせ!!」にスライディング。「北斗の拳」のファンを驚喜させるアニメの主題歌となり、アニメソングとしては記録的な売り上げを達成しました。
20年以上が経過し、田中さんは脱退後、草野球でボールが喉に直撃し、3オクターブ高い声を失いました。リーダーのムッシュ吉崎も、そろそろ還暦を迎えます。
当時の歌を当時のように歌えなくなりましたが、ヤマハが版権を持っています。そこには音に厳しい中島みゆきさんがいます。
デジタル録音が及びも付かない高次元な音で記録された彼らの歌は、マスターテープに記録されて厳重に保管されています。
デジタルは、どうしてもアナログと異なり欠落が多いのです。CDの場合は音なので、誤摩化しが効くだけです。声も楽器の音もアナログです。そのままアナログで録音したほうが良いに決まってます。クリスタルキングの時代がアナログの時代で、幸運でした。
フルアナログ録音されたクリスタルキングの名曲達を、心行くまでお楽しみ下さい。
私も楽しんでいる最中です。しかし難点を言えば、「祈り」を収録して欲しかったな・・・。
KING FOR A DECADE―JEAN‐MICHEL BASQUIAT
今は亡き光琳社出版によるバスキア本。装丁に力を入れていた会社だけあって表紙も本文のデザインもスタイリッシュ。
画集として決して大きいとは言えない判型ながら、作品やポートレイトをページいっぱいのサイズで多く乗せてそれを補っている点は評価できる。また、バスキアと親交のあった芸術家、元恋人、美術関係者、音楽家などのインタビューが多数掲載されているところも興味深い。
しかし、バスキアの個々の作品についての解説があまり見られないのは残念だ。せめて、作品に描かれた英語の訳が欲しかった。スラングや暗号を交え、政治・社会・人種問題を扱うことも多かったという文字群が非常に重要である彼の諸作においてそれがないのは大きな手落ちなんじゃないだろうか。
ともあれ、バスキアのことを知るきっかけとして手にするには適している一冊であると思います。