ひとりぼっちのジョージ―最後のガラパゴスゾウガメからの伝言
ガラパゴスゾウガメの一亜種、そのたった一頭の生き残りである「ジョージ」をめぐる物語。カメのことよりもむしろ、カメ一頭に血道をあげる人びとや、自然保護活動において無視される島の住民たちの生活の方が気になって仕方がなかった。単なるゾウガメ賛美の書と受け取るか、それとも自然保護とは本当は何なのかについて考え始めるきっかけとするか、すべては読者の力量にかかっている。
GOLD TOP
「黄金」で「頂点」ーーーこんなタイトルを冠するのはよっぽどの自負があるか、さもなきゃ何も考えてないかのどちらかだろう。もちろんコレクターズは前者だ(たぶんね)。
トライアド移籍前、"BAIDIS years"のベスト盤『フリーク博士とマニア氏』のより"ポップ・マニアック"でB級感も随所に覗かせる(←ホメことば)“藤子・F・不二雄的”ポップワールドを愛する向きにはこの『GOLD TOP』の紛うことなき王道POPはどう響くだろうか?
かく言う自分も、どちらかと言えばちょっとひねくれた部分があったりしょぼさが漂っているものに愛着を感じてしまうタチなので、あまりに王道なPOPは一歩退いて見てしまったりする。だけどこのアルバムはいい。これだけの曲たちをこの並びで聴かされれば心底夢中になってしまう。
目立つのは「Good-bye」「素晴らしき人生」「恋をしようよ」「ザ・バラッド・オブ・ロンサム・ジョージ」といった”サニーデイ・ポップ”(歌詞の内容は必ずしもそうではないけど)の数々。そしてその系譜にトドメをさすのがファンキーで爽快で甘酸っぱいメロディを持った「SUMMER OF LOVE」だ。並み居る佳曲たちの中にあってもこの曲と、彼らの一番の代表曲「世界を止めて」、黄昏感とエモーションが交錯する「あてのない船」はやはりアタマひとつ抜けている。
『フリーク博士とマニア氏』にも言えることだけど、彼らのベストは最高の素材を適材適所に活かした、所謂名盤だ。
ベスト盤だけ聴いてればいい、というのではなく、ベスト盤だけは聴くべきアーティストだと思う。
彼らの残した素晴らしい作品のひとつとしてね。