バレーに恋して
大林素子さんの現役時代の著書。
現役当時、いきなり吉原知子さんとふたり、日立を解雇になった事件には、当時、本当に驚いたものだ。日立にはその気の無かったプロ問題が絡んでいた、とだけは聞いていたが、今のようにネットもない時代、細々とした情報をバレー雑誌などから仕入れるしかなかった。この本で、当時の状況がよくわかった。
しかし、この本にある「会社のバレー部関係者が私を訪ねてきた。ヤオハンから誘われているみたいだけど、日立としてもプロ契約を考えているので残って欲しい。」という言葉。これが事実だとすれば、大林さんはその後なぜ、解雇ということになってしまったのか。それについては憶測という風に言葉を濁して、大林さんが書いている。「山田氏の色を消したかったのだ」と。山田氏というのは日立や全日本の監督で、常勝日立をつくった名監督だ。しかしそのころはプロ化騒動や山田氏の個人的トラブルなどいろいろあって彼は解任され、日立の監督は米田監督に替わっていた。その米田監督と大林さんは全日本のいきさつからうまくいっていなかったと言う。そして吉原さんも。
日立が二人を解雇するときは非情だった。午前の練習のあと、部屋に呼ばれたふたりは「本日をもって解職にします」という一言で解雇になった。2階の仲間の選手のところに荷物を取りに行こうとすると警備員に抑えられた。それでも一人暮らしをしていた大林さんにはまだ住むところがあるからいい。吉原さんは「今晩中に寮を出てください」と言われ、行き場もなくなって大林さんのところに泊まったと言う。
そして、大林さんに転機が訪れた。イタリアチームでのプレー。帰国してからは東洋紡へ。そこでしばらくプレーして引退という流れになるのだが、大林さんは本当に素晴らしい選手だった。日立のチームはもう、ない。
大林素子のバレーボール教室―白球を追うあなたに伝えたい
バレーを始めて1年半。しかもママさんバレーです。
色々なバレーの本を読みましたが、この本が一番簡単に理解できました。
と言うのも、大林さんのフォームの写真が実に解り易く、
イメージ作りに大変役にたちます。
また、基本が詳しく説明してあると同時に、実績のある方の解説なので説得力があります。
個人の練習メニュー・ストレッチングの仕方など必要な項目がきめ細かに書いてあるので本当に助かりました。
6人制バレーに限らず、9人制の方も是非一度参考にして欲しい1冊だと思います。