戦艦ポチョムキン
今までとは違ったアルバムでしたが、もともとニールテナントがやりたがっていたサウンドトラックを遂に実現させたという感じを受けました彼が好きだと言っていたエンニオモリコーネの影響も現れているとも個人的な感想ですが思います。私もエンニオモリコーネが好きなので素晴らしい出来だとおもいました。petshopboysのファンの方たちは意見が別れるとは思いますが真のファンでしたらきっと納得出来るアルバムだと思います。
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巨匠エイゼンシュタイン監督が確立した映画独自の表現手法、モンタージュ技法を最大活用した作品です。
近年の映画でも『戦艦ポチョムキン』へのオマージュやパロディは多く、社会主義やソビエトという国家を超えて映画の表現手法に革命をもたらした作品と言っても過言ではないでしょう。
そしてまた、構図のセンスにも注目して頂きたい。効果的な見せ方の工夫が随所にされています。
黒澤明監督が『トラ!トラ!トラ!』で描きたかったのは『戦艦ポチョムキン』のような撮り方だったのかもしれません。
最終的に、ほとんど役者さんの顔のアップがない、俯瞰の撮り方に終始している『乱』で想いは達成されたのかもしれません。
サイレント映画でぜひ見ておきたい作品としては、ほかに『雄呂血』『アンダルシアの犬』『メトロポリス』『イントレランス』などが挙げられます。
D・W・グリフィス監督も『國民の創生』を撮らなければ名監督として名を残せたと思うのですが残念です。
それとは対照的に、黒澤明監督は第二次大戦中に撮影された映画の多くを様々な監督が「軍部の強要により撮らされたプロパガンダ映画である」として、自らの作品リストから外しているのとは違い、「人間性を描くことを主題とした」として第二次大戦中に撮影された『姿三四郎』『一番美しく』などを自分の作品リストから外していません。
と同時に今見ても人間性について描いた作品であり、戦意高揚映画という印象は受けません。
ちなみに、個人的には「笑いのみを追及している」というストイックさからバスター・キートンのほうが好きです。チャーリー・チャップリンよりも。
戦艦ポチョムキン【淀川長治解説映像付き】 [DVD]
後世の映画に様々な影響をもたらした本作ですが
その中で特に私が印象的だったのは
「うじ虫」・「民衆の表情」・「淡々と階段を転がる乳母車」です。
この3つが放つ異様な雰囲気は「歴史映画」の枠を越え
「怪奇映画」の領域に達しています。
これこそが「歴史」に宿る狂気を体現していると言えるのではないでしょうか?
戦艦ポチョムキン 復元(2005年ベルリン国際映画祭上映)・マイゼル版 クリティカル・エディション [DVD]
「戦艦ポチョムキン」は活き活きとしたテンポの良い映画なので、気に入って幾度となく観ています。先日映画館で回顧上映が行われたときに大きなスクリーンでも観ましたが、80年以上前に作られたこの白黒無声映画が今でも活劇としての鮮度を失っていないことに驚嘆しました。ただし、そのとき上映されていたのはこのマイゼル版ではなく、ショスタコーヴィチの音楽がつけられた1976年版でした。
ショスタコーヴィチ版はこれまでに何度かDVDとして発売されてきましたが、私は購入をためらっていました。画質がイマイチだったからです。映画館やレンタルで観るときは、フィルムが傷んでいようが画面がちらちら揺れようが楽しんで鑑賞できましたが、ソフトを購入するとなると話は別です。繰り返し観るために買うのだから少しでも画質の良いものが欲しい、そういう版が出るまで待とうと私は考えていました。
(※もちろん、ショスタコーヴィチ版DVDと映画館が同じフィルムを使用しているとは限りません。)
そのような要求を最も満たしてくれるのが、現時点ではこのたび発売されたこのマイゼル版だろうと私は思います。
「戦艦ポチョムキン」は度重なる検閲のせいでオリジナルのネガが散逸してしまった映画ですが、パッケージの説明によると、この版は「世界中から最高の画質のプリント」を集めて復元された「これまでで最も原型に近い」版だそうです。原型との比較は行うすべもありませんが、マイゼル版がショスタコーヴィチ版より画質が優れていることは間違いありませんでした。日本語字幕は大幅に改編されていますが、その点に強くこだわる方以外にならこちらを推薦したいと思います。
画面に着色した赤旗がはためくのも、DVDではこの版だけです。
戦艦ポチョムキン [VHS]
世界映画史上の最高傑作の一つして、賞賛され続けて来た、映画の古典である。又、ソ連映画の中では、「戦前のソ連映画の最高傑作が『戦艦ポチョムキン』ならば、戦後ソ連映画の最高傑作は『アンドレイ・ルブリョフ』であろう。」と言った人が居た様に、タルコフスキーの『アンドレイ・ルブリョフ』と対に比較されてもおかしくない、傑作である。
私は、ロシア革命には全く共感しない。しかし、この映画の芸術的価値は、そうした歴史観の問題を棚上げさせるに十分過ぎるほど、高い物である。無声時代の白黒映画が、これほど迫力を持ち、人の心を揺さぶる事は、技術ばかりが進化した昨今のハリウッド映画の空しさを痛感させる物であり、その意味で、この作品は、今こそ、見直されるべき作品である。
それにしても、軍艦における反乱と言ふテーマは、何故、こうスリリングなのだろうか。考えてみれば、『ケイン号の反乱』も、『レッドオクトーバーを追え』も、『クリムゾン・タイド』も、『ユリョン』も、『亡国のイージス』も、軍艦における反乱のドラマであり、その意味では、『戦艦ポチョムキン』の焼き直しに見えなくも無い事は、驚くべき事ではないだろうか?(それに、『沈黙の艦隊』や『ジパング』も?)
(西岡昌紀・内科医)