炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編3 真皓(ましろ)き残響 外道丸様〈下〉 (コバルト文庫)
全体を通じて換生という重い事実が景虎を
苦しめます。宿体の記憶がよみがえり、
景虎の性格にまで影響が現れ・・。
本編でも、換生ということに、常に苦しんで
いる景虎ですが、邂逅編では特に、
そういった面が丹念に描かれています。
もうひとつ、邂逅編の特徴として、戦場の苦しみ、
というのがあるように思いました。
中世の奴隷貿易については、実際の日本史研究でも
事実の解明が進んでいますが、こうした戦場の
厳しい事実は、支配者として生きていた景虎にとって、
換生した現在、重くのしかかっているように感じます。
邂逅編に見られる苦悩に、次の本編ラストでどう答えを出すのか、
とても気になるところです。
炎の蜃気楼(ミラージュ) 邂逅編 真皓(ましろ)き残響 氷雪問答 (コバルト文庫)
つい先日Cobalt本誌で読んだばかりと思っていた、氷雪問答の文庫本です。
書き下ろしで、「傾奇恋情」が収録されています。
「氷雪問答」の方は、ちょっと和やかちっくな内容でした。景虎様が活躍しています。その一方で直江はちょっとイタタタ?
「傾奇恋情」は、長秀が主役の話でした。一向に夜叉衆達に馴染まない長秀ですけど、その飄々とした生き様の中にある、真の武将を貫く姿は、カッコイイと思いました。
ちなみに直江は出番無しでした;;
本に挟まっている乙女ちっく通信にも、嬉しい情報が!
ぜひ、手にとってみて下さい。