それぞれの秋 (1982年)
「僕は『それぞれの秋』に刺激されて、『北の国から』を書いた」。過日、対談番組『みんな子どもだった』(BS-TBS)のマンスリーゲストが山田太一さんのとき、ホストの倉本聰さんがそんなことを言った。「禁じ手のナレーションをうまく使っている」と褒め(?)、その発想のきっかけを問うと、「アメリカのドラマの『逃亡者』のナレーションが素敵だったのに触発されて」と山田さん。僕は『それぞれの秋』という作品を知らなかったが、俄然興味が湧いた。
佐々木マキさんのイラストが素敵な本書を、一気に読んだ。面白かった。これを1973年にテレビでやったと考えると、「早いなあ」と思う。あとがきで山田さんは「ブラム・ストーカーのドラキュラをやりたかった」と書いている。どういうことか。それをここで呆気なく明かしてしまうとつらまないので、ぜひ読んでみてください。この作品には、後の山田太一ホームドラマ、例えば『岸辺のアルバム』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』など代表作の萌芽のようなものがたくさん散見される。
僕は、遅れてきた山田太一ファンだ。リアルタイムで全盛期の山田ドラマを観賞していない。『ふぞろいの林檎たち』はビデオで見たけれど、『岸辺のアルバム』も『早春スケッチブック』も映像を知らない。シナリオや小説で親しんですっかり魅せられ、活字を通して山田作品の熱心な愛好者となった。『それぞれの秋』もきっとドラマを見ることはないだろうが、小倉一郎、小林桂樹、久我美子、さらに高沢順子も桃井かおりも、みんな素晴らしかったろうなあと想像できる。活字で読むだけで、ありありと俳優たちの芝居が頭に浮かんでくる。山田さんの脚本がしっかりしたイメージのもとに書かれている証左だろう。
谷村新司 ベスト&ベスト SBB-305
友達が群青という歌を歌った時、いいなあと思っていました。
今回このCDを購入して繰り返し聞いています。
ユーチューブの動画を見たりして涙が出て来ます。
大事なCDの一つになりました。
岸辺のアルバム DVD-BOX
ついにDVD化!!
夢のDVD‐BOX化がついに実現だ!
早速の予約ですが発売日まで長い2ヶ月になりそうです。
唯一の心配は使用曲の著作権クリアの件だけですが大丈夫だと願いたい!!
木下恵介生誕100年 木下恵介アワー 「二人の世界」DVD-BOX<5枚組>
私もイイ歳になりましたが、まだ幼い頃に、なぜかこの『ふたりの世界』を熱心に観て、あおい輝彦さんの歌う主題歌を口ずさんでいました(カラオケでも裕次郎さんの『二人の世界』はあっても、こちらの番組主題歌はないようでした)。
脱サラして愛し合う二人が喫茶店を始めるというような内容だったと思いますが、正直、詳しいストーリーは余り覚えていないのですが、当時の美男美女の代表、竹脇無我さんと栗原小巻さんが出演、監督・木下恵介、脚本・山田太一、音楽・木下忠司という贅沢な布陣(当時のホームドラマの黄金スタッフ)ついでに言えば、ナレーションは矢島 明さんだったと思います。
これならば幼い子供ながらに熱心に観たに違いない。
再放送も記憶になく、VHSでも、もちろんDVDでも発売されていなかったので、二度と再び観る機会は無いのかなと半分あきらめていましたが、やっとDVD化されました。木下恵介監督の生誕100周年記念なんですね。
放映から45年くらい経ち、無我さんも故人となり、小巻さんもテレビ・映画では殆どお目にかかれなくなりました。歳月の流れを感じます。