公務員試験受かる勉強法落ちる勉強法 2014年度版
【総論】
国家一般職レベルを対象に、最短で3か月から合格可能な公務員試験の受験戦略を紹介している。
それぞれの受験科目に対し、学習方針と良い参考書、悪い参考書が紹介されており、
公務員試験をどう対処したらよいのか分からない方には、道しるべとして一読の価値はあるだろう。
参考書の選別や各科目の難易度についての評価は、読者の主観によっても評価が分かれるだろうが、
できるだけ過去問から学習を始める戦略をベースとした受験戦略が提案されており、オカルト的な受験戦略ではない。
ただし、過去問の正文化をメインに据える、基本書は極力最低限の使用に抑える、一部科目はいわゆる「スー過去」を使用しない学習を進める、
といったスタイルが全く体質的に合いそうもない読者の方、過去問以外の参考書を使う気はない、といった読者の方にはあまりおススメできない。
【内容の汎用性】
公務員試験の攻略に必要な考え方を解説し、具体的に使用する参考書まで提示するなど、かなり具体的な戦略論が提示されている。
参考書を選別する際の視点は、なるべく見開きに問題と解説が収まる本を高評価する傾向があるなど、やや好みが分かれる可能性があるが、
過去問重視のスタイルがベースであることは変わりなく、オカルト勉強法と言うほどではなく、ある程度バランス感覚も担保した勉強法との印象である。
ただし、都庁の専門記述のような、記述対策にはあまりページがさかれていない点には注意を要する。
【特におすすめの読者層】
・独学で公務員試験を受けたいが、とにかく勉強法がわからず途方に暮れている
・おススメかどうかを問わず一般にどういった参考書が使われているのかの情報が欲しい
・過去問から学習を進めていくスタイルに抵抗を持たない
といった読者層にはおススメの本である。
【読みやすさ/コストパフォーマンス】
非常に読みやすい文章で、2時間程度あれば読み切れる。
また、内容の整理も比較的丁寧にされており、読み返すにも便利な構成になっている。
価格はやや高めな印象ではあるが、何度も参照できる本であり、過度に割高な印象ではない。