リヴィン・イン・ヒステリア
ジャーマンメタルバンド、ヘブンズ・ゲイトの2nd。1991作
当時はこのファンタジックなジャケに惹かれて購入したものだが、内容もハズレなし。
ツインギターのメロディで聴かせる正統派のジャーマンメタルスタイルながら、
このバンドは疾走のみにこだわらず、聴きやすいバランスの良さが光っていた。
1曲目の“Livin' in Hysteria”、ラストの“Gate of Heaven”こそお約束の疾走曲だが、
スローテンポの“Never-Ending Fire”、叙情的なバラードの“Best Days of My Life”、
勢いのあるインスト曲“Fredless”など、バラエティ豊かな曲調がバンドとしての懐の深さを物語る。
現在はプロデューサー業で有名なサシャ・ピートの存在感も大きかった。3rd以降は
ジャーマンメタルブームの終焉とともに、しだいに方向性を模索してゆくのだが、
本作のクオリティは90年代のシーンの中でも傑作と言うに値する。
HEAVENS GATE 無一文Leaf/AQUAPLUS作品集 (IDコミックス DNAメディアコミックス)
昔はともかく、最近はアンソロジーは買わずに古本屋で立ち読みで済ますのですが、作品集となれば別です。
個人的にも好きな絵柄ですし。
この方の絵の場合、なんかこう…ふにゃっとした感じがするのです。
カラーページのすばるの絵が特にそう思いました。
こみパの話的には、彩がメインの
『ほんのささやかな一歩』
が良かったです。
しかし、この方が真に愛するキャラはT2のイルファ。
なので表紙はもちろん描き下ろし漫画もイルファだらけ。
個人的には
『運命の改竄』が良かったです。
僕自身もイルファ(とイルファ役の声優さんも)好きなので満足でした。
瑠璃がイルファのセクハラに耐えられなくて家出する話や、うたわれの話、天使のいない12月(読んでないので参加していたかは知りませんが)の話が無かったのは残念でしたが。
その辺は、次の巻に期待ですね。
ぜひ出して欲しいです。
あと、オリジナルも見てみたいですね。
Hell for Sale
ジャーマン・メタル最重要バンドの一つ、Heaven's Gateの1992年発表3rd。
典型的ジャーマン・メタルだった前作から若干の軌道修正。メンバーの趣味や好みをかなりオープンにしたアルバム。
疾走曲、バラード、Metallica風の重い曲、Rhapsodyのような中世風の曲(まあRhapsodyのプロデューサーはこのバンドのギタリストなのだが)等々雑多に取り込んでいる。バラエティに富んだ作風ともいえるし、まとまりがないともいえる。
アメリカ市場を意識したせいか、全体的にポップ。まあでもこれはこれで悪くない。
日本のファンに向けた#7 "Rising sun" はいい曲。
イン・コントロール
トーマス・リトケ(vo) サシャ・ピート(g) ボニー・ビルツキー(g) マンニ・ヨーダン(b) トーステン・ミューラー(dr)
Helloween, Gamma Ray, Blind Guardianらと共にジャーマン・メタルの発展に大きく寄与しながらも、現在ではその存在をほとんど忘れ去られているバンド、Heaven's gate。1989年発表1st。
Judas PriestとIron Maidenを聴いて育った感がアルバム全編を通して伝わってくる。トーマス・フリーデルのヴォーカルも、ロブ・ハルフォードをかなり意識しているように思える箇所もある。しかしトーマスはそれほど硬い声質でなく、むしろ柔軟に伸びやかに歌い上げるタイプ。それがやがてこのバンドの個性となっていくのだが、それはもう少し後の話。
この1stの時点では、80年代英国メタルをそのままなぞっている印象。しかしアルバム全体の印象はそれほどダークではなく、むしろポジティヴな疾走感に溢れている。
トーマスの歌唱力は実際かなりのものだし、ところどころで聴かれるツイン・ギターもかっこいい。