雁の寺 [DVD]
京の禅寺。襖絵を描くために祇園から引かせた妾とともに住み込んでいた絵師があっけなく死ぬ間際、住職慈海に愛人を託す。遺言どおり、初七日に線香をあげにきた里子をそのままモノにした豪胆で好色な慈海。貧しさゆえあてどなく、請われるままに寺におさまる里子。慈海にこき使われている少年雲水・慈念とともに、奇妙な三人暮らしが始まった。
若さと美貌で男に囲われるのをよすがにしてきた里子、暗い出生の秘密をコンプレックスに鬱々とする慈念、若い妾にうつつを抜かす慈海。大人の痴態を見せつけられ、心の闇を抉り出された慈念のたくらみは……。
文子さま演ずる里子の方向違いで浅はかな哀しい深情けや、妖艶な姿態はみどころですが、慈海役三島雅夫もどんぴしゃの配役。住職の友だち僧役の山茶花究や西村晃、慈念の養母役菅井きんもいい味出してます。殺人を描くことなく、なんとなく匂わせる演出もいいですね。誰も救えなかった慈念の鬱々としたわだかまりを、襖の雁の母子の絵に投影させているのですが、最後はパッとそれまでのモノクロの戦前からカラーの戦後に切り替わって、寺と檀家の世界から観光地化された現在の拝観寺へと一足飛びになってラスト。個々のドラマもかなしみも消えうせて、建物と(部分的に張り替えた)襖絵だけが往時を伝えるという斬新な終わらせ方も必見です。
初春狸御殿 [DVD]
色んな映画会社から、色んなver.で20作ほど製作されている狸御殿シリーズ、後期の作品
お正月映画的で
内容はあまりなく
気軽に楽しめる
オールスター顔見世的な娯楽ミュージカルです
内容はないと言っても
それなりに
泣き笑いどころをうまく作ってあってなかなか面白いんですけどね
また配役に関しても文句なく
若かりし若尾文子がなかなかかわいいし
姫が入れ替わっても全く気付かないバカ若殿の市川雷蔵もいい感じ
勝新も出番少ないながらいい役どころでおいしいし・・・
ただ、玉緒さんが・・・クレジット上位のわりに出番がちょびっとなのが残念
あと、当時売り出し中の歌手陣の出番がけっこうあって、その歌に時間が割かれてるんですけど
今となっては誰?って感じの人がいたり
ちと微妙
玉緒さんより出番の多い歌手さんもいますし・・・
ま、そんなこんなで
実にゆるーく楽しめる映画でした
エロも少々入ってたりも含めて・・・(#^.^#)ああエロかっぱ
瘋癲老人日記 [DVD]
ビデオもレンタルされておらず、DVD化を諦めていた作品が遂に!!若尾文子の特に後半の作品は、エロスがほとばしりまくりの秀作だらけだがこの作品はその中でもすごい!エロスの大洪水です。「離れたキスよ」と唾を垂らすシーンはエロティックでいながら上品!この調子で他の作品もDVD化して欲しいものです。