デニス・ロッドマンの「ワルがままに」―NBAを変える男
ロッドマンファンではなくても読んで面白い自伝だと思う。バスケットに関する内容やアメリカにおける成功と人種差別のことを含め自分と真剣に向き合っている人間のドラマが書かれていると思う。
NBAで唯一7年連続リバウンド王に輝いたロッドマン、日本ではそのキャラクター故に知名度は高いが、彼がディフェンス(NBA最優秀ディフェンシブプレイヤーに2度選ばれている)や戦術理解度(ジョーダン曰く「ブルズの複雑なトライアングルオフェンスを彼ほど早く理解したものはいない」)に長けていることはあまり知られていない。
また暴行や裁判で罰金を獲られスキャンダルが多いが、反面エイズやバイセクシャルへの理解を示し(髪の毛をエイズリボンの色に染めた)黒人問題も含め不当な人種差別をクソッタレだと訴えた。
ストレートな発言や行動が目立つが、彼なりの意図や人間の本質を含んでいるように私には思える、ただ無益だったり無謀な行動も多々ある。
レビューのタイトルは本書の一文から。こういうことも平気で書いている。
俺たち庶民派シューター [DVD]
NBAを去り、さまざまな映画にも出演し、最低の男優賞をもらい、訴訟も受けとにかく話題の事欠かない男。
でもロッドマンはバスケのユニフォームが本当によく似合う。
映画は内容も笑いあり、涙ありと月並みな表現だけれど、すごい見終わった後にぽかぽかしたものが残る。
低身長症の4人が自分よりも大きく屈強な男たちに挑む…。一人のメンバーはこう言う。
「人の視線が痛いんだよ。珍獣扱いされているみたいで…」
そのメンバーに声をかけるロッドマンの声、表情は実に真摯で優しい。
勇気をもらえる映画だと思います。MJの「スペースジャム」を見るならぜひこちらも!!
デニス・ロッドマン 絶対勝てるNBAテクニック―これがシカゴ・ブルズのトライアングル・オフェンスだ
この本はロッドマンの伝記や発言集みたいな本ではなく、著者が倉石平さんだけあって、あくまでロッドマンを通したバスケットボールの本です。
NBA史上最高のリバウンダーとしての彼の色々なプレーの解説、リバウンドのスペシャリストとしてチームとの相性はどうであったか、そしてロッドマンがブルズに入った時のトライアングル・オフェンスの解説。もちろん、ロッドマン自身についての内容もありますが。
特にトライアングル・オフェンスの解説は詳しいと思いました。
バスケについて全般的な内容ではないですが、上記のような内容については面白い本だと思います。