ヤンマガで何回か見て面白いと思ってたのを4巻までいっき読みした。
「お天気お姉さん」と同様に毒があるけど、こちらは子供を媒体にしているから嫌味がなく、逆に良い気分になれるよ。
連載のペースが遅いのだけど、5巻が待ち遠しくて仕方がない。
味わい深いオールカラーショートショート26本。世界を縦横無尽に徘徊するバカ姉弟に触れる大人たちの中の「いい部分」が出てくるところが和む。
オリジナルのヤンマガコミックス版からカットされている部分があるので注意。
このマンガが、一読、叩き付けて捨てるようなつまらない作品だったら良かったのに。
一話一話が、まるで最終回のようにせつない。
あ、泣くような話じゃないんですよ、楽しくてしょうがない作品なんですよ。
なのに、ご姉弟が四歳になるだけでせつない。
ご姉弟は三歳の頃を覚えていない、けれど素晴らしい十八歳になってしまう。
ご姉弟はすこやかに成長してしまう。
それは、当たり前でとても幸せなことなのだけど。
可愛らしいご姉弟はいつまでも三歳でいてくれたらいいのに。
おもしろいマンガはいつまでも終わらなければいいのに。
そんならちもないことを思ってしまう程、この作品は…。
良い本は、それを読んだ後に必ず眠れなくなる。台風の夜のように、心がザワザワして苦しくてせつなくてどうしようもできないこの気持ちをどうしてくれよう。って。そんな気持ちを呼び起こす「さくらの唄」。 とにかく読め。読まずには死ねない。これはそんな本。
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