1作目のBGM集と新録音された楽曲からなる二枚組みです。
BGM集は、もうこれだけでファンにとっては涙ものかと思います。
当時製作の本編もモノラル音声のため、マスター自体がモノラルで
録音されています。よって本CDのBGM集もモノラル収録ですが、
録音は比較的優秀なため、十分聴くに堪えるものです。
なんといっても、曲自体が非常に傑作なので、ファンならずとも
クラシックや映画音楽が好きな方なら楽しめるでしょう。
むしろ、これらの曲を知らないなんて・・損をしています。
あまり書かれませんが、演奏も素晴らしいと思います。
新録音の「交響組曲 新 宇宙戦艦ヤマト」の方は、過去の曲の
アレンジが多いため、「交響組曲宇宙戦艦ヤマト<第二章>」と
いう感じでも楽しめます。録音もかなり優秀です。
特にストリングス等、昔のアナログ録音と比べ厚みも解像度もあり
素晴らしいです。(もちろん、当時の録音も優秀なものでした)
ピュアオーディオ派の方にもおすすめできます。
曲については、もう素晴らしいの一言でしょう。
特にトラック3・・・過去の曲のダイジェスト的なアレンジですが
ステキです。。やはり、良いものは何時までも色あせませんね。
久しぶりに鳥肌が立ちましたよ。。
よくコンプレッサをかけすぎて録音波形が酷いことになっている
ものを最近はよく見かけるのですが、本CDは録音の質も売りに
しているだけのことはあり、波形的にも問題ありませんでした。
(コンピュータ上で波形を視覚化して確認)
歌はTVサイズのモノラル版しか収録されていませんので、
ステレオ収録の主題歌や挿入歌が欲しい方は、
「宇宙戦艦ヤマト ボーカル・ベスト・セレクション」や
「宇宙戦艦ヤマト ソング・コレクション」をおすすめします。
(ちなみに上記2枚の主題歌は、録音が異なっています。)
コンピュータミュージック(この表現が妥当かどうかはともかく)の先達が、ほかならぬ冨田勲氏です。当時その使い方や存在意義すら分からなかった「シンセサイザー」をたくみにあやつり、初めて音楽作品として成功させた、氏の集大成が本作です。往年のクラシックの名曲を、氏の独特のアプローチで表現しています。ドビュッシーの「月の光」「雪は踊っている」といった印象派の小品から、ベートーベンの「第9交響楽」といった大作まで、冨田氏のシンセサイザーへの思いも一緒になって聴くことができます。
私が初めて冨田作品に触れたのは今から25年以上前。氏が小松左京氏と対談しているラジオ放送でした。そこで紹介された氏の処女作である「銀河鉄道の夜」やオネゲルの「パシフィック231」などは、童謡や歌謡曲しか知らなかった私に大きな衝撃を与えてくれました。すでにYMOがデビューし、コンピュータミュージックは認知されていたのですが、「コンピュータが奏でる音楽」という印象の強かったYMOに比し、冨田氏は「コンピュータだからこそ表現できる音色(おんしょく)」に強く注目し、クラシックの「近代の表現者」として努力まい進していたことに感銘を受けたものでした。
冨田氏はシンセサイザーでの作曲のほかに、宇宙から電磁波として送られてくる音源の収集、ドナウ川やニューヨークでの野外ライブなど、貪欲に「音の魅力」をアピールしてきました。本作を聴くと、「音の魅力」のとりこになってしまいます。その手段としてシンセサイザーがあるのであって、決してシンセサイザーの電子的な音が主役になっているのではないことを感じ取ることができるでしょう。
コンピュータミュージックの先達の試行錯誤と、その後の音楽界に与えた影響を考えながら聴いてみてください。そして「音の魅力」を味わってみてください。クラシックの名曲たちが新たな生命を吹き込まれ、近代に再び登場し、音遊びを楽しんでいるような印象を受けると思いますよ。
子供の頃見た中で、一番ダサくて一番好きなヒーローです。1巻の冊子に記載されている石ノ森先生のこの作品への思い入れや、2巻の冊子に掲載されている石ノ森先生の原画を見て、またまた好きになりました。考えてみると機能的な変形マシン、可憐なヒロイン、勇壮なテーマソングと音楽、というふうに非のうちどころがありません。中でも特筆したいのは、戦闘員の邪魔しない戦闘シーンです。何故毎回やっつけられている戦闘員を懲りずにぶつけてくるのか?悪の組織の知能を疑うわけですが、この作品の敵はほぼ一人(もしくは一体)。そのため 息もつかせぬスピーディーかつ騎士道精神にのっとった闘いを見ることができます。同時期の宇宙刑事に比べて明らかに低予算な作品ですが、それを逆手にとって、ヒーローとは装備や背景ではないということを雄弁に語ってくれている名作だと思います。
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