どうしても前作(千思万考)と比較されてしまう。 まぁ、いいか。 主演に対して助演、みんな自分自身にとっては主演なんだけれど、 周辺の方々について薀蓄かたむける。 想像は膨らむばかり。
雑な感は否めない。
漫画『新選組』『坂本龍馬』で、幕末に生きた侍たちへの憧憬と愛を思う存分に表現して見せた黒鉄ヒロシが、今度は時代劇への尋常ならざる思い入れを描いた快作漫画。時代劇ファンはもちろん、全ての映画ファンにお勧めする。
誰もが納得する時代劇の大作、傑作を取り上げるのではなく、TV黎明期の時代劇ドラマや日本映画復興に挑んだ時代劇を選ぶなど、並みの時代劇ファンとは一味もふた味も違った、黒鉄氏ならではの、セレクションが光る。『新選組血風録』『木枯らし紋次郎』など傑作TV時代劇誕生秘話の数々は、放映をリアルタイムで見ていた者にも新鮮で、実に面白い。劇場映画では、『眠り狂四郎』『十三人の刺客』『柳生一族の陰謀』に絞り、愛情あふれる独自の視点で作品の背景を紹介している。
特筆すべきは、『京都太秦映画村、誕生(前・後編)』。時代劇映画復興にかける業界人たちの努力と苦闘には、目頭が熱くなる。時代劇と、時代劇にかけた俳優、活動屋など「チャンバラ狂」への深い愛情がいかんなく発揮された清清しい作品に感動!! 「チャンバラ、万歳!」と小躍りして、叫びたくなるほどだ。
歴史で活躍した男の躍動感が伝わってくる。
特に信長のくだりはいい、と思った。
パイオニアとしての信長の改革の根幹は既得権益の破壊にあったが、
こうした思想は、信長が幼いころから伊勢湾貿易の中継地に立ち
出船入船を眺めながら外国の文物と情報に常に触れていたから
固定観念を打ち崩したのだという主張にはうなずける。
今日は昨日に影響され、明日は今日の助走による。
平成という時代は昭和に影響され、次の時代の助走となるのだから
我々の責任は重大だと感じた。
もうページがスラスラ進んじゃう。 休憩入れる暇がない。 次へ次へと先が気になる。 読後、何度でも読み返したくなる。 そして登場人物の魅力的なこと。 繰り広げられる展開の面白いこと。 つまりこれはそれだけの名作なのだ。 池波、藤周あたり読むならこっちの方が断然面白い。 そして司馬遼、浅田ではとうてい書けないハイエナの世界がここにはある。 黙って読むべし。
昔のシリーズとは、全く別もの。それを前提に観るべし。ま、七曲署の未来を描くことは、何も不自然なことではないし。どうせなら、舘ボスもいいけど、神田ボスでやってみたらどうですかね?
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