タイトルから想像されるとおりチリ~スペインに至る移民・音楽がテーマ。スペインのガリシア地方にも伝統のバグバイプがあるそうで、この伝統の音楽を前面にフィーチャーしている。とはいえ、ライナーノーツの説明を見るまでまったく分からなかった。全曲がチーフタンズらしい音に仕上がっていたからである。 チーフタンズといえば、異分野のアーチストとの共演や実験的取り組みが多く、彼らだけによるアルバムは最近は意外に少ない印象がある。このアルバムもまさに他アーチストを招き、スペインの音楽に取り組む「他流試合」的なものなのだが、ここではその「他流」がチーフタンズのバックボーンであるケルト音楽に近いもののせいか、まったく違和感なく、むしろチーフタンズそのものの音になっている??ダンサブルな曲からしっとり聞かせる曲までバグパイプの音が鳴り響き、「チーフタンズらしい音」が欲しいときにはまさにぴったり。最後の曲「ダブリン・イン・ヴィーゴ」はアイリッシュパブでのライブ録音。黒ビールを飲みながらライブに一緒に参加しているかのような、楽しい雰囲気が楽しめる。
ザ・チーフタンズといえば、その40年にも及ぶキャリアの中で、アイルランド音楽を世界に広めるとともに、ヴァン・モリソンやスティング、ローリング・ストーンズといったさまざまなロック系ミュージシャンたちと共演したり、フランスのブルターニュ地方など世界のケルト系音楽に取り組んできた、アイルランド国内にとどまらない活躍をしてきたグループである。その彼らが1996年にスペインのケルト文化圏であるガリシア地方の音楽に取り組んで作り上げたのが、この『サンティアーゴ』だ。ガリシア地方に伝わるガイタというバグパイプを演奏するのは、『ゲド戦記』の音楽を担当したことで今や日本でも有名になったカルロス・ヌニェス。まだこの頃は一般の人はほとんど知らない若手奏者だった彼は、このチーフタンズに見出されてこのアルバムに抜擢され、広く世界に知られることとなったのだ。6曲目の“Dueling Chanters”でのパディ・モローニのイリアン・パイプとヌニェスのガイタのバグパイプ・バトルは圧巻。他にも、リンダ・ロンシュタットやロス・ロボスなどスペイン系の血を引くミュージシャンたちも参加。スパニッシュ・ケルトが注目を浴びるきっかけを作った大傑作アルバムであり、ケルト音楽に興味のある人なら必聴のアルバムと言える。
往年の名曲が集められた良いコレクションです.70年代以前のサルサ以前のコンピCDがたくさんありますが,それらとは全く違って,かえって現代のものより踊りやすいです.
この舞曲集は、18世紀のスペインのギタリスト、サンティアゴ・デ・ムルシアが、スペイン宮廷のために、当時舞踏の中心であったフランスの舞曲を、スパニッシュギター独自の奏法を用いて編曲した曲の数々ということである。 ギター愛好家にとっては、軽やかでかつ、おおらかさを感じさせるバロックギターの演奏が心地よいことであろう。 また、この時代の舞踏(バロックダンス)に興味のある人にとっては、この種の舞曲が往々にして演奏用の演奏でなされていて、実際に踊るには不向きな場合が多いのに比べ、この曲集は、実際に踊れるようなテンポや繰り返し回数で演奏されている点が興味深いのではないだろうか。 さらに、添付の解説には、ムルシアの音楽活動についての詳しい考察が掲載されていて、歴史的な興味もそそられる。ムルシアの作品集が、チリやメキシコで発見されていて、彼がメキシコに渡ったという説もあるが、まだ真実は謎である。いずれにしても、スペイン人が中南米大陸に進出して行った過程で、当時のヨーロッパの音楽や舞踏もまた一緒に海を渡っていたことは、当然と言えば当然なのだが、戦いや政治だけが歴史ではないのだと改めて感じさせられ、想像が膨らむ。 そして、このような分野別の興味とは関係なく、休日の午後などに、お茶を飲みながら心穏やかに楽しめる絶好の一枚でもある。
この本の驚愕のラストには、私は人生のいいところを見たような気がします。謎の大ベストセラー作家を探す物語は、本当に物語として面白かったし、ところどころにちりばめられている人生の真実は、本当に25才の作家が書いた作品なの?という感じでした。スペインの作家というよりも、全世界に通づる素晴らしい作品です。
ぜひ、ご一読あれ。
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