3つの短編のうち、個人的には「安定期つれづれ」がとても良かった。表題作は、安定期つれづれに比べると確かにあまり感銘を受けなかったが・・・。
なぜレビューでこれほど評価が低いのだろうか?この本は、200ページほどしかないが多くの時間を割いて読んだ。とても温かみのある本だったし、内容はそれほど明るくないのに登場人物たちの明るさが際立っていた。
ノッポさん、みんなのうた、あまり知りませんでしたが、
偶々聞いてたNHK-FMで流れてました。曲、映像、演技、、日本のエンターティナーも捨てたもんではありません。
ぜひ、長編も作ってください。
文化的・経済的に下流な蒲生家の家庭環境で育ったトシと姉。父中心に、家庭環境がおかしいと気づいているにもかかわらず、同様の水準で自立してしまう。トシも姉も見事なハンパ者になってしまった。おそらく姪の亜希子も似たような半生を送るだろう。
だが最後の最後には、家族の絆への揺ぎ無い信頼が描かれた。実在する彼らのような者達が文字で語ることは稀有だろう。彼らの持つ言葉は少なく、他者に伝わりにくいだろう。
伊藤は、彼らの優れた代弁者だ。こんなに下流世界を活写した作品には、初めて出会った。
3編の中編集。残りの2編も、不適格な父または母が素材だ。必ず離婚も絡む。面白いとは言わないが、強い印象を残す。
ゴツボ×リュウジさんの表紙に惹かれて買ったのですが、個人的に音楽ものが大好きなのもあり、中身は期待以上でした。
特に花村萬月は持ち前のエグい描写もあり、秀逸でした。
さらっと読むのに丁度いい感じです。
昔の彼女に振られたのをきっかけに、30際の誕生日を迎えるまでに結婚をして幸せになり、元彼女に復習をしたいと考える主人公。 結婚相手を探している内に、なんとなく3人の彼女を作ったあげく、どの彼女も結婚するには今ひとつ欠けていると感じている主人公。それなのに、彼女らに足りないところばかりを観ている主人公は、自分の人生に自信を持てていないし、未来への明確なビジョンがあるわけでもない。 結婚に対する明確な価値観を抱きにくい現代の男性像を浮かび上がらせているように思う。 結末が予想外の形で終わってしまった。 しかし、結末近くになって主人公に語りかける女の子の一言が妙に印象に残った。 「子どもだから、曖昧な約束しかできなかったんでしょ」 いろんな意味で言葉がありません…。
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