読み終わった後すぐに「もう一度!」と再び読みたくなる本というのには、中々出会えません。この本は、そんな貴重な一冊。本当に何度読んでも面白い本です。翻訳した方が良かったのか、この話が良かったのか。それとも両方なのか。何かにつけて、読み返す作品。
誰でも一度が読んだことがある名作です。
ジュールヴェルヌの作品は、どういう訳か、子供向けと思われていて完訳が少ないの
ですが、この本は帯に書かれている様に完訳版です。ちゃんと子供にも読める様に
振り仮名も振ってあり字も大きいです。(そのために上、中、下、3巻になっています。)
イラストも当時のものが使われていて雰囲気たっぷりです。
内容については良く知られていますのであまり詳しく述べません。
この物語が成立するかどうかは、ノーチラス号にリアリティを持たせられるか?
にかかっていますが、それは成功していると思います。いかに成功したかは、同様の
構造を持った作品が多数生み出されたことからも明らかです。正に原点。
もう一つの魅力はネモ船長。この複雑なキャラクターも多くの追従者を生みました。
殆どの登場人物が男性であるというストイックさが当時をしのばせます。
下巻に詳しい解説が付いていて、この本の出版に当たっての興味深いエピソードが
述べられています。結局ネモ船長が何者かは語られません。
ネモ船長について謎解きがしたい人は「神秘の島」を読んでください。
ということなのなもしれませんが、実は人物を特定させたく無かった出版時の理由が
説明されています。しかし、かえってそれがこの作品を深いものにしたのだと思います。
特撮技術や「アクション映画」としての撮り方(編集概念の違いか?)は、どうしても見劣りするのは否めません。 しかし、「新しいエネルギー(おそらくは原子力か)」という自分の発明の秘密を奪う為に妻子まで殺され、「地上の国家」というものに対して絶望し、激しい憎悪を抱くネモ艦長と彼の発明こそが人類の未来を拓くと(楽天的に?)信じ、説得を試みる教授の人間ドラマは、十分に現代にも通じるメッセージだと思います。 また、明らかに屋内スタジオで撮影されたとわかる洋上のシーンなどはともかく、あのノーチラス号の内部や「潜水服」のディテールには、昨今の映画にも負けない美しさがあります。宮崎駿作品などの「メカメカ感」が好きなヒトには堪らないものがあるのではないでしょうか?(それだけでも観る価値アリます!)
画質がすごく綺麗で驚きました。今後の業界では、これくらいのレベルのBlu-rayがどんどん作られてほしい。
潜水艦の物語が大好きな僕は、ノーチラス号のネモ船長に夢中になりました。
この本は、1870年に出版されたSF小説で、まだ、潜水艦が実在しなかった時代である。
未来を予知したようなSF小説に、ジュール・ベルヌ(1828〜1905)の創造力の豊かさと、人間の科学への挑戦が読み取れる。
潜水艦内の図書館など、原書の挿絵が収録され芸術的なヌヴィルの作品も楽しめます。
漢字が苦手だった僕には、ふり仮名のある『海底二万海里』であり、その内容も充実していて、とてもおもしろく読みました。
中学2年生の男子に、この夏休みに読んで欲しい。
「本に、興味を持つキッカケになれば」と思います。
野球に夢中な夏休み、読書を楽しむ夏休み。
素敵な本との出会いが、生涯の友となる。
『海底二万海里』が、その一冊であって欲しいと心から願っています。
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