国内盤を購入。彼女自身の解説の対訳、歌詞付き。ニック・ロウ関係のカヴァーをやってる女の子ってことで、ついついカーレン・カーターを期待してしまうのですがカントリーっぽさがないし声の魅力もいまいち。彼女自身も「ALMOST BLUE」が一番好きというようなことを書いているので我々のイメージするパブ・ロックとは若干認識が違うのかもしれません。ふと入ったライブハウスでこんなバンドが演ってたら、かなり楽しい気分になるのは間違いない。でも音盤として繰り返し聴くかと言うと実際にプレーヤーに載せることは稀です。
星5つにしなかったのは、今ではほとんどのアルバム作品や 貴重なシングル音源が他で入手できるため。しかし、入門用と してはこれ以上無い選曲で楽しめるベスト盤。ニック・ロウや イアン・ゴムが居た事よりも、70年代英国にパンクの時代以前に ”アメリカに憧れたポップで分かりやすい音”を出して人々を 踊らせ歌わせてくれた存在であることの方が重要である、と 小難しい事を考えなくても直ぐに好きな人は楽しめるので是非 聴いてみて下さい。パブロック万歳!
初期のヴァンモリソンやバーズの後期の音が近いですが、ニックの曲のせいかこっちの方がポップな感じです。オルガンがまたいい感じです。
本作は彼らの3rdと5thの2in1です。
Silver Pistol
それまでのもろアメリカ西海岸風サウンドから徐々に英国バンドらしさが出てきたアルバムで有り、本作よりIan Gommが参加し5人編成となった。英国のThe Bandと呼ばれた彼らだが、本作はThe Bandの"Big Pink"の様にジャケットのメンバーの後ろに写っている邸宅にて録音された。#9には犬の鳴き声が入っていたり、所々で生活のNoiseが聞ける。
本作のセッションと前後してアメリカ人シンガー Jim Fordとロンドン・オリンピックスタジオにてセッションを行っており、本作には#10/11とJimのナンバーを収録。蛇足ながらJim Fordには唯一"Harian Country"と言うアルバムが有り、サザンファンク・カントリー・R&Bがない交ぜになった素晴らしい音を聞かせてくれるらしい。(残念ながら未聴)代表作には、Bobby Womackがカバーした"Harry Hippie" Ron Woodがカバーした"Sweet Baby Mine"(こちらはJim とBobby Womackの共作)が有る。NickさんもJesus Of CoolでJimの36inchをカバーする事となる。
Ian Gommの参加にてNickさんのソングライティングにも磨きが掛かり、美しいカントリーワルツの佳曲#4を物にし#7ではバディ・ホリーの"Words Of Love"のリフを挿入するなど 遊び心が出てきた。
Bandの結束も一段と固まりいぶし銀の如くリラックスした極上のパブロックを聞かせる。
Please Don't Ever Change
パブロック自体 特定の音楽形式を持たなかったが何れのバンドもアメリカ音楽のベーシックな部分と接触する志向性を持っていた。Nick Lowe,Ian Gommを有するBrinsley Schwartzはカントリーロック的なフィーリングを看板にR&B,オールドポップス・ロックンロールからレゲエに至るまで幅広い音楽を独自のアレンジで聴かせる「英国のThe Band」と呼ばれた。
本作は彼らの5作目でDave Edmundsがプロデュースした次作"The New Favourits Of"と並んで彼らの代表作と呼ばれている。
#13 イアン・ゴムの名作でスタート。レゲエの軽快なビートに軽やかに乗る#14 3連ロッカバラードの#15 クリケッツの演奏で英国でヒットした ゴフィン/キング作の#16 前作収録のロカビリーブギナンバーをLive収録した#17 後にRockpileで再演される#18 Nickさん作ラテンナンバーの名曲#20 '73年に「ヒッターズ」の変名でリリースされたレゲエナンバーのカラオケ#22と個々の楽曲のクオリティは高く、雑多な音楽性さえ微笑ましい。
英国ビートグループの伝統を受け継いだ粋なアンサンブルを聴かせる「愛すべき野郎ども」による名盤です!
74年発表の6作目。ブリンズリー流パワー・ポップを確立した傑作中の傑作1.はエルヴィス・コステロによるカヴァーがあまりにも有名。(作者のニック・ロウもシングルでセルフ・カヴァーしている。)3.もコステロのカヴァーがあるビートルズの「IF I FELL (恋に落ちたら)」を思わせる佳曲。 6.はホリーズのカヴァーでブリンズリーが当初目指していた音楽性が垣間見れる。9.はイアン・ゴムの曲で、イアン自身のセルフ・カヴァーがある。基本は従来通りのパブ・ロックながら土臭さがほとんどなくなり、ソウル的な質感が高まっている印象。メンバー自身がお気に入りの曲が多いということもあり名曲多し。ブリンズリーの入門編に最適かも。ちなみにこのアルバムの後にオクラ入りしたアルバムがあり、お馴染みの「恋するふたり」(ニック・ロウとイアン・ゴムの共作) が収録されていた。この時点でやる気が無くなっていたのではなく、一番充実していた時期の作品だと思っていいと思う。
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