本書では、古事記の神代篇に焦点を絞って分析している。 稗田阿礼とは何者か、どのような過程を経て古事記が完成していったのかを考察している。
著者によると、古事記が編纂された最大の理由は天武天皇の危惧感にあるという。 天智天皇と大友皇子親子は、側近を百済の学者で固め、日本古来の文化を軽視していた。 日本古来の文化が失われることを危惧した天武天皇は、稗田阿礼に日本各地に古来から存在する話を収集させたという。
著者の推察には賛否両論あることと思うが、日本という国の生い立ち、文化・伝承を知るには最適の本だと思う。
「津軽じょんがら節」 津軽三味線の隠れた名人がいたという物語です。 青年が津軽三味線に惹かれ、三味線弾きになってゆく過程が、瑞々しく 巧みな筆致で描かれている。 津軽三味線を志す人にとっては、共感できる部分も多いと思われる。 またボサマの三味線や、村の津軽三味線競演大会など、津軽三味線の 草創期における情景が、読者の胸に鮮明に熱く迫ってくる。 頁数が短いこともさることながら、熱を帯びた文体に引き込まれ、 厭きることなく最後まで一気に読み終えてしまうことでしょう。 津軽三味線の激しい音色が、全編に強烈に響いている。 津軽三味線奏者、必読のバイブル第一号は、これに決定だ!! 津軽民謡の名人「嘉瀬の桃」の人生を鮮烈に描き出した表題の秀作 『津軽世去れ節』の他五篇を収録したものである。
かなり気合いの入った、同郷の長部日出雄さんが太宰の名文を選んで解説したアンソロジー。
太宰治はタイトル、出だし、エンディングが抜群に上手いという長部さんの指摘にはハッとさせられました。
小学校高学年から中学校低学年にかけて太宰治にハマって、その後も好きなんだけど、それほど深くは読んでいない、という人は多いんじゃないかと思うのですが、もし、そんな層をターゲットにしようと新潮社の編集が考えたら、少なくとも個人的にはクリーンヒット。
『満願』のラストに《医者が若い夫人に何を禁じ、その日、何のおゆるしが出たのかは、あらためていうまでもないであろうけれど、それが「言外の意味」として表現されたところから、明るいエロチシズムと生きる歓びを、読む者にまざまざと伝える清新な感動が生まれた》という、なんつうか"賛"みたいなものを書く長部さんに共感します。
太宰の文章は絵画を感じます(『黄金風景』のラストとか!)。だから、この文庫本も、全体のつくりが右頁に絵があって、それに賛をつけるような感じになっている感じがいいんですよねぇ。あと、長部さんは太宰治の明るいエロチシズムと笑いを強調するんですが、それも随分と感じさせられました。
この時代のキリスト教、さらには仏教界の記述が詳細かつ綿密に記述された小説は前例を見ない。右近のキリスト教布教に一生を捧げ、村重、信長、秀吉、家康という主君、覇者の中で翻弄されるところがよく表現されている。中でもキリスト教と仏教、浄土宗と法華宗の各大法論の記述は見事だ。生半可な知識では表現できない長部氏ならではの作品だ。歴史小説223作品目の感想。2010/01/25
私は、映画、演劇、ミュウジック等々で活躍している人を絵に描くのが好きです。
スターには、それなりの強い個性があり、その個性を絵に表現していると、色々な今までの自分の過去の生き方と
重ね合わせる事ができます。
スターの写真の中には、何の変哲もないものがありますが、一旦、それを絵にしてみると、気が付かなかった表情や
個性が生まれてきます。
今回の【高峰秀子】監修には、映像として普通に生きている人と共感できる庶民的な映像写真が豊富にあり、
絵の題材にしています。
今後も人の普通に生活している姿を題材にした映画や演劇などの写真集を多く発行してください。
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