嗚呼!ウィーン市内の病院で07年9月11日死去。75歳。朝刊を読んでいて気がついた。彼の全ての音源を聴いている訳では無いが、唯一無比のそのサウンドはいつも感動を与えてくれた。初めて知ったのがWeather Reportの「Mysterious Traveler」、それ以降最新の「Brown Street」まで常に時代の先端を行く音でした。本作はそんな彼のWeather Report時代を中心にした半生が書かれている。とても丁寧な取材内容で、その思考、哲学がほんの僅かではあるが理解できる。今後、彼のような優れた音楽家が出てくることは叶わない夢かもしれない。暫らくは彼の残した「音」を聴きつづけることだろう。惜しい実に惜しい、しかしこれが誰にでも訪れる人間の人生なんだろうな。
Japan’s only nyatiti performer brings us her latest work with Kenyan melodies, Latin influences, and Varttina-like singing on Tei Molo. The nyatiti is an eight-stringed lyre indigenous to Eastern Africa. Anyango plays it with a sweet and sincere intensity that infuses a touch of magic on each track. As a vocalist, Anyango sings in the native Dholuo language of Kenya. The fifteen tracks represent a range of New Age, folk, and traditional elements that are not particularly ‘Japanese’. If you are seeking a Japanese music recording, you will have to search elsewhere. Though, Anyango’s musical talents extend far beyond borders and cultural origins. In short, her music is universal with a general appeal to African music fans. Additionally, the music possesses a slight funkiness that will happify even the most discriminating listener. Tei Molo is filled with luscious harmonies, stunning instrumental work, and a gentle charisma that should satisfy with earshot of the music. ~ Matthew Forss
ザヴィヌルはウェザーリポート後は、ジャズというより
ワールドミュージックに近いものになった。そのためか、
いまいちウェザーリポートの延長・オマケとしてみられがち。
でも、そんなこたあどうでもいい。マイルスと同様、最後の
最後まで進化をしていた音楽家であった。そんな爺に感動。
全曲秀逸の一品だが、「ZANZA'U」とショーターとの共演
「IN A SILENT WAY」がたまらない。
面白いのは、著者が3回もザビヌルから怒られたことを暴露。ショックだったのは、ザビヌルの音楽作曲法だ。インプロヴァイズを重要視する彼の曲作り・・これ以上は言えない。 その深遠な意味とブルースの解釈、マイルスやジャコ、ショーター等との関係、もちろんウェザー・リポートのことも、等々・・ジョー・ザビヌルの全てがこの本には書かれているようだ。掲載楽譜も自筆が殆どだから読みづらいのは当然だがかなりの量である。まったく著者の音楽への探究心には脱帽である。
とにかく参りました…。スティーブ・カーンの空間を切り裂くような鋭角な、だけど奥行きと広がりと浮遊感を持つ美の極致のようなギターの旋律が、あの後期ウェザー・リポートの音宇宙の上に乗っかっている…。音源が今のところこれしかないのが本当に悲しいほど、不思議で美しく透明で浮遊する、それでいてジャズが持つわくわくするような展開が繰り広げられています。管楽器の代わりにギターという意味ではザビヌル・シンジケート的な音ではあるものの、ザビヌル・シンジケートとの無国籍な(あるいはアフリカやインドなどの第三世界的な)サウンドビジョンまでは発展していない、かなりウェザー・リポート的な(あくまで西洋側の)美しさや流麗さが醸し出されているように思いました。「Update」から「Consequently」にかけてスティーブ・カーンがメロディを弾く部分が自分にとってのこのDVDのハイライトではありますが、ウェザー時代の曲もまた違う趣で、その意味では文句なしの演目・演奏だと思います。
DVD作品としては残念ながら音がイマイチで、レベル調整が雑で一番の盛り上がり部分で録音レベル(ボリューム)が下がったりすることがあります。また、メンバーがザビヌルの細かい指示を待って演奏している感じが否めず、ザビヌルが何をやっても「試している」ような感じがすることがちょっと気になります。
それでもこのメンバーで、しかもライブ映像が見られたのは貴重なことであり、発掘してくれたレーベルに感謝したいです。
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