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どこか奇妙で脳裏に焼き付くような映像と、絶妙な場面転換、作品全体を覆うシュールなムードと、当時のコーエン兄弟の魅力に溢れている。またジョン・タトゥーロの熱演ぶりも凄い。彼は作品が違えば全くの別人に見えてしまうのだから、本当に名優だと思う。作品そのものの評価は五つ星だ。 大好きな作品なので以前DVDを買ったのだが、正直がっかりした。ビデオより画質がいいとは思えず、チャプターもついていない。そこでメーカーさんに要望。リマスターを施したバートン・フィンクを発売してほしい。同意見のファンは多いと思う。
 
 
   
暑さ、物音、壁紙がはがれる、蚊、じめじめした蒸し暑さ、その中で書けない脚本を考える。この胸騒ぎする不安感の描き方は、初めて見る最高のサスペンスだ。
 ジョン・タトゥーロ、ジョン・グッドマンの快演は画面に釘付けになってしまう。
 唯一ホテルのオアシスでもあった、ラストの海辺の美女には結構ビックリさせられる。
 
 
   
恐怖とユーモア、幻想と狂気が映像詩の領域にまで高められている。
「ミラーズ・クロッシング」と並ぶコーエン兄弟の傑作。
 ジョン・グッドマンの不気味極まりない、素晴らしい演技が見もの。
 
 
   
東で劇作家として成功をおさめたバートン・フィンクは、西へ渡り、ハリウッドでB級プロレス映画の脚本を依頼されます。ところが
 人間の内面に重きをおく彼にとって、ちゃちなプログラム・ピクチャーなど
 書けるわけがなく、最初から行き詰まってしまいます。
 
 投宿したホテルの隣室のチャーリーと意気投合し、唯一の友人になりますが、
 これがとんでもないサイコパスで、ショットガンで人を撃ち殺しては
 首を切断する殺人鬼だったのです。
 
 ホテルの陰鬱で妖し気な雰囲気、製作会社社長とのユニークなやりとり、
 チャーリーが本性をあらわし火焔に包まれるホテルの廊下で支離滅裂なことを
 叫びながら刑事二名を射殺するシーンのバカバカしさ、伏線を敷いたラストの
 シュールなオチなど、見どころ満載です。
 
 前作「ミラーズ・クロッシング」で二枚舌のバーニーを演じたジョン・タトゥーロの
 演技も様になっていて、ハリウッドの内幕を垣間見られる点でも楽しめる作品でした。
 
 
   
旧日本コロムビアの地獄の画質と打って変わった、満足できる画質です。
 
 
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