Jazzの魅力の一つはアレンジであると思う。素材がどのように調理されているかを味わうのはリスナーの喜びだ。ライナーノーツを見て参加ミュージシャンの顔ぶれにも「おーっ」となった。 鉄腕アトムのテーマが綺麗なピアノで語られ、Lonely ManがShougunに負けないパワーで奏でられている柔も豪もつまったわくわくさせる作品に仕上がっている。
五十嵐浩一先生にしては異色の作品と思います。それもそのはずで、PS2用のゲームソフトのキャラクターデザインを
依頼されて描いたものの、その企画が没になってしまい、ずっと机の引き出しの中にあったものをマンガにしたのだそ
うです。作者自身の作品解説にそう書いてありました。でも設定はゲームとは全く違うのだそうです。
ジャンルとしてはSFアクションになるのでしょうか。舞台はイラク(おそらくはイラク戦争当時)で新型ウイルス感染
症の研究をめぐって、米軍と国連医療団の暗躍・極悪非道な行為が描かれています。平行して、研究の犠牲になりウイ
ルスや銃弾に負けない体ではあるが異形となってしまったアメリカ娘エイミーと日本の高校生ノボルの心の触れ合いが
描かれています。
善良な民間人が殺されたり、上半身だけの死体が出てきたりなど、残虐な場面がいっぱい出てきます。そういうのが苦
手な人にはオススメできませんが、根底に流れているのは戦争に無関心な我々への問題提起ではないかと思いました。
イラクという国でどれだけの人が犠牲になっているのかということを、五十嵐先生は皆に知って欲しかったのだと思い
ます。
エイミーとノボルの恋は悲恋で終わり、何ともいえない哀しい読後感が残りますが、心が通じ合い次第に絆が深まって
ゆく2人には強く胸を打たれました。多くの人に読んで欲しい作品です。
タイトルの「I.B.S.S.」はICE BLUE SILVER SKYの略です。直訳すれば「凍てつくように青くて銀色の空」ですが、作品
中にはその言葉は出てきません。どのような意図をもってつけられたのか判りませんが、個人的には妙にしっくりいく
タイトルだなあと思っています。(キング・クリムゾンの「Starless」の歌詞にもice blue silver skyは出てきますが、
関連は不明です。)
帯より引用
「めいわく荘の人々」の名サブキャラ安川くんのオタク十二番勝負!
五十嵐浩一未収録短編集を初単行本化!
裏表紙より引用
史上最強のオ◯ク・安川くんが帰ってきた!なぜか毎回、美女とのトラブルに巻き込まれるが、
そこはメカマニアで超◯タクの安川くん、常人には思いもつかないような手段で解決する、超絶
オタ◯十二番勝負!
上記の通り、「めいわく荘の人々」のサブキャラである安川が主人公の短編集で、12編収録されて
います。各作品の基本的なストーリーは、困っている美女を安川がとんでもない方法で助けるとい
うものです。落ちのパターンは決まっていて、確かに最終的には問題は解決するのですが、最後に
は美女があられもない格好になってしまい、非常に迷惑するという展開です。美女は激怒するだけ
で終わる場合と、激怒しつつも感謝する場合と2パターンあります。
異色の短編が2つ入っており、それぞれフレドリック・ブラウンの「闘技場」、スタンリー・キュー
ブリック+アーサー・C・クラークの「2001年宇宙の旅」のパロディとなっています。
私は「めいわく荘の人々」がとても好きでしたし、この安川というキャラも好きだったので購入し
ました。五十嵐浩一先生の作品が好きで「めいわく荘の人々」を読んだことのある方ならきっと満
足できると思います。それ以外の方でも、ギャグ満載でお色気もありますので楽しめると思います。
現在ではコロムビアから日本アニメーション主題歌挿入歌全集というCDが
全4巻発売されているのですが、そちらには日本アニメーションの作品のうち
TVシリーズの主題歌しか収録されていないため、TVスペシャルや劇場版の
主題歌まで網羅したこちらのCDBOXは大変貴重です。
特に劇場版魔法陣グルグルの主題歌「金のトビラ」や新居昭乃さんの歌われた
ドラゴンクエスト列伝ロトの紋章の主題歌「少年の羽」や超人ロックの劇場版・OVAの
主題歌5曲など入手困難な名曲を収録しているのは非常にポイントが高いです。
「ペリカンロード」「めいわく荘の人々」で一世を風靡した五十嵐浩一が描く、家族愛と破天荒な中年オタクのドタバタが同居するホームコメディ。
連載当初と副題が異なるなど、微妙にセコい執筆姿勢は気になるものの、この人の作品で常に描かれる「等身大の主人公と社会との距離感」のゆらぎはいつも興味深い。
「めいわく荘」では大学生の坂本がゲームにハマったり就職浪人したりとフラフラしていたが、この作品ではさらに歳を経て「よい大人」になったはずの主人公が、忘れたはずの趣味の世界に再度引き込まれていく。
「ペリカンロード」は確かに名作だが「めいわく荘の人々」も、それ以上に心に残るエピソードに富んだ良作である。だがそれも、長期連載ができたからこそだと思う。
「リュウ」がどれほど売り上げを伸ばしているのかはわからないが、この作者には安定した紙面でのびのびと書き続けてほしい。
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