おばぁがイイ味出してる沖縄の話、というと「ちゅらさん」を挙げられる方が多いでしょう。でも私が断然オススメしたいのはこの本!「ちゅらさん」で描かれる沖縄には正直戸惑いしか覚えなかった(「本土からみた沖縄像」のお勉強にはなりました)私ですが、この本は素直に楽しめました。
潮の香をはらむ湿った風の渡る島、独特の年中行事を営々と続ける地方共同体の、ともすると窮屈な暮らし。廃止の声が上がるも立ち消え、いい悪いは別として未だ厳然と残る民間信仰(ユタ)。復帰後進んだ開発により海は遠いものとなり、宅地化が進んだ私の家の近くのさとうきび畑はすっかり消えてしまいました。しかし変わらないものもあります。お盆ともなれば、室内には仏壇に捧げられた果物のとろんと甘い香りと、お線香の混じった濃密な香りが満ち満ちます。そして遠くから響くエイサー太鼓。あちらの世界と対話をする人々を特段奇異に見る事もありません。事例によっては、家裁でユタの言葉が交渉カードになることも。
この本は、ファンタジーと銘打っていますが、ちょっと前の沖縄か、また今もどこかにあるかもしれない沖縄の生活の匂いがします。 沖縄はどんなところだろう?と興味をお持ちの方、ガイドブックと共にこの本をオススメします。……おばぁがサンシン弾いてる場面は、期せず涙がこみ上げました。Okinawa'CDをBGMにご一読下さい。
「統ばる島」遠く琉球王国以前の時代から脈々と継がれてきた島々での自然の営み。
著者は現在の沖縄の島々を内地の人々にも判り易く描写することに長けている
当代きっての作家だと思います。
中でも随所に出てくる島の要となる御嶽(こちらの世界では鎮守の森に相当?)に
対する信仰心の厚さに興味を覚えました。
人の営みも自然の流れの一部、その中の一瞬の営み・・・その一瞬をどこでどういう
ふうに生きるかを、あらためて考えさせられました。
「統ばる島」は、自然とかけ離れた都会に住んでいても忘れてはいけない事々が
数多く書かれた良書です。
琉球の歴史が無知な私はとっかかりとして とても良い作品だと思いました。 確かに?と思える設定や場面はあるのですが 歴史小説というよりエンターテイメントとして 読めば、知識も得られて良いんではないでしょうか。
リボンの騎士のような男装の美少女のファンタジーと 大奥を凌ぐドロドロと淫靡な世界。 ですがこれだけに終わらないのは主人公やその周りに いる人の志の高さです。
琉球の未来を憂い、勉学に勤しみ清廉な精神で 国を導こうとする若者達が物語にすがすがしさを 与えています。 当時の琉球の姿は今の日本と似てませんか? 外交と英知で西洋列強、薩摩、清国とも 折り合いを付けなければならない琉球。
機動力と人材育成で困難を切り抜けようと 奮闘するヒロイン達を応援したくなります。 本書を読みながら、現代でも才能有る若者達に日本を 引っ張っていってもらいたいと思いました。
ところで作中の候文や詩歌は難しいですね〜 池上さんの博学ぶりが垣間見えます。
去年の1月に出会ってから1年、すでに5回はみっちり読み返しました。(通常そういうことはしない) 予備知識無くこの本を手に取った自分ってかなり冴えてるじゃんと誉めてやりたい。(文庫本の装丁した方に感謝) 筋がどうとか登場人物がどうとかよりも、さりげなくどっぷりはまれる世界観がたまらない。 クーロンズゲートとか鳥山あきらとかジャン=ピエール・ジュネ監督とかその辺のさらっと現実をかすめる変態な世界観にはまるのが好きなら相当たのしいと思う。 この本によって石垣島は私の中の西方浄土となりました。
まさかの単巻販売中止(6巻《前半12話分》まで発売)に見舞われて買うのを中断していましたが
これで一気に後半部分が全て揃えられるという事を考えた末に遅ればせながら購入してみました。
2話収録のこれ迄の単巻の価格で考えれば残り6巻分を1巻毎の価格として換算すれば
多少はマシに思えます。対象者はこれまでの単巻購入者を前提としているでしょうし‥。
ただ、全く同じ価格でもBlu-rayで全25話収録+未CD化音源を含むBGM集を特典に付けているBOX
【DARKER THAN BLACK-黒の契約者-】の様な商品もあるという事実があるので
そういった別の商品と比べるとやっぱり割高であり結構複雑なものがありますが…。
販売会社別による消費者に対する良心の差が明確に表れていますね。
内容は涼子を起点としたアトラスについての様々な謎や、AAAの3人の存在の意味や出生の経緯等
物語の本筋についは終盤で判明し盛り上がりますが、中盤はダラダラした展開が目立ちがちで
流れがアンバランスです。ダラダラしている部分を他の主要なキャラの掘り下げに使ったりして
キャラに厚みを持たせていたりしたら良かったのですが、そういった事には用いていないので
殆どのキャラの設定が薄く、必然的に繋がりも不自然さが際立ち作品がキレイに纏まっていない
と思います。ただでさえ複雑な要素でストーリーが構成されているのに‥‥。
しかし、OP映像を含め作画は惹き付けるモノがありますし、躍動感は出ているので作品の質自体は悪く
ないと思います。そういった所を評価している人ならば買ってみるのも悪くないかもしれません。
私自身は上記に挙げた様な様々な観点から複雑なものもありますが凄く損をしたとも感じないです。
全て揃えられたというコレクションの面でのスッキリ感と満足度が最も大きな要因でした。
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