やはりその歌唱力にあるでしょう。ひろみや秀樹に比べると五郎だけにはどこか陰と言うかウェットな部分があって、それが歌に生きていたと思います。叙情的な歌を歌わせれば彼ぐらいうまい歌手は他には居ないのでは?このベストを聴いてるとつくづくそう思いました。
「筒美京平の世界」というサブタイトルが示すように,偉大なヒットメーカーである氏の仕事の素晴らしさは伝わってきます.ただ筒美京平ワールドを紹介するにあたって,6枚のCDという構成を選んだ場合,今回の選曲は疑問.
マニアの方にとっては,レア音源である5枚目,6枚目は貴重なものなのかもしれません,これを入れるために,代表曲を2枚目までに収めようとしていて,単純に筒美京平メロディーを楽しみたいという筒美京平ファンにとって,気持ちのよさが少し損なわれている感じがします.ライナーノーツに収められた氏の膨大な作品リストを見て,そういう気持ちを持ちました.
初心者の私的には,1〜2枚目の選曲コンセプトで,4枚目まで,3〜4枚目を5枚目1枚に,5〜6枚目を6枚目一枚にくらいのバランスで構成して欲しかったです.
松竹は1970年代に「新御三家」のプログラムピクチャーを量産した。 まだ日本映画も何とか自社制作を続けていた時代であり、各社の色も出ていた時代。 ちなみに「新御三家」とは郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎のことで、今のジャニーズの 走りでもある。
だから本作も内容的には「アイドル映画」であり、映画的価値を見つけるのは難しい。 個人的には西城秀樹と田中絹代が組んだ「俺の行く道」が一番好きだが、これなぜか ソフト化されていないんだよなあ・・・
江波杏子も名優・池部良も「なんでこんなアイドル相手に」と思っていたかも知れないが、 斎藤耕一が手掛けていることから大きな破綻もなく、最後まで観られる。
本作で「価値」があるのは1974年ころの横浜の風景が映し出されていることだろう。 江波杏子扮する姉と弟の野口五郎は岐阜から横浜にやってくる。 目的は姉と結婚する男(池部良)と落ち合い、ブラジルへ旅立つためだ。
姉を「女性」として見てしまっている弟の気持ちの描き方などは、さすが活動写真だが、 そもそも何で羽田じゃないのか。そう、この頃まではまだ海外の玄関口は横浜だったのだ。 あまり知られていないが、現在でも大桟橋には税関や入国審査所がある。 海外到着便はすっかり「成田」「羽田」になってしまったが、海の玄関は今も昔も横浜だ。
その他重厚なレンガ作りの横浜駅東口や(なぜあれ保存しなかったのか・・・)元町、山下公園、 本牧、山下公園と、ロケ地はもはや横浜観光案内の趣。 松竹は大船の時代が長いが、そもそもの計画では戸塚に撮影所を建設するはずだった。 駅前の現在日立になっているところである。まあ当時は「鎌倉郡」だったが、そんなことで 松竹は横浜・鎌倉と縁が深い会社だった。
そんな思い出に浸るのも楽しい1枚だと思う。星は3つです。
芸能界における数々のエピソードが登場し、そんな中で著者がどんな心構えで生きてきたかが語られるこの本は、なかなかおもしろく読めるのだが、何よりオレはまず、野口五郎という人のキャラ自体がおもしろいと思ったし、その語り口が、なんとも絶妙。そういえば、いわゆる《新御三家(=ヒデキ・ゴロー・そしてヒロミGO)》の中で、男、というか男のガキからみて、最も親しみやすいキャラをもっていたのが著者=ゴローこと野口五郎、であったように思う。白状するとオレもガキのころ、男の歌手ではゴローのファンだったのだ。レコードで出る曲には、好き嫌いや女子の手前や小遣いの限界もあり、そんなには買わなかったが(スマン…)、レコード屋が開催するフィルム・コンサート『GORO ON STAGE』なんつーもんにも出かけ(ビデオが普及する前の時代なのだ)、当時出た『哀しみの終るときに』なるエッセイ集も買って読み(まさに「青春の一冊」、とでもいうか…)、演歌「博多みれん」でデビューさせられた当時のキャンペーン地獄の悲話(酔った客に酒をぶっかけられる、15才の新人歌手…!)など、過剰に感情移入しながら読んだもんだったが。 それからおよそ20年以上経って上梓されたこの本の方でも、大ヒット曲「私鉄沿線」のジャケットに使用されることになる写真を、天才カメラマン・篠山紀信と撮りに出かけた先が、まぁ、そこで働いているとか用事があるとか、そこに肉親がいるとか自分が「そこ」の人であるとかでもない限り、あまり進んで出かけようとは思わないような、とある場所の近くだった……、興味深い話がいろいろと出てくる(「日常とは乖離した場に身を置いた時に出る表情をとらえたかった」、というのが、その時の篠山氏の意図だったようだ。なお、同じ時に撮影された写真だが、別カットのものがCD『筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス』(「青いリンゴ」「19:00の街」などシングル曲を中心に、筒美氏作曲のオリジナルでまとめた2枚組)のジャケットにも使用されているので、その表情に浮かんでいる「何か」を、よく感じとっていただきたい…)。 最近はどうもこの人、ちょっと違う意味でおもしろがられているような感もあるが、この本を読めばまた、イメージが変わるかもしれないし、昔から知っている人が読むと「変わんないな、ゴロー…」、などと、感慨にふけるのかもしれない。そんな一冊である。
もはやバグったとも謂える真山の精神描写と、暗躍する影、崩壊していく人間模様と、掛け値
なしに息も吐かせぬ展開。だのに自然と共存しているギャグの異様さ不気味さ愉快さ。。
ソレが戦慄を和らげ、戦慄を倍加させる...
そして衝撃のラストへ、、、
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