加門七海さんの本はいろいろと読んでいます。うわさシリーズの中でも祓いや穢れについて触れていますが、対応策が分かりませんでした。大がかりなことではなく、手の届く作法を美しい写真で紹介されていますので実用書として手元に置いています。特に表紙が清らかで美しいです。
民俗学・オカルトに造詣が深く、ホラー小説家でもある加門氏。
彼女が9人の霊能者へのインタビューを行います。
霊能は掴みどころがなく、扱いの難しい問題でもある。
加門氏の真摯な姿勢に非常に好感がもてる。
私は霊感がまったく無いし、周囲にもそういった人はいない。
フィクションとしてのオカルト(ホラー・伝奇小説等)は好きです。
しかし、実際のオカルトには否定的な立場です。
オカルトを肯定・否定する是非はともかく、依存することは非常に危険であることを本書を読み再認識しました。
修験者やユタへのインタビューが特に興味深かった。
荻原 規子氏の「RDG」シリーズや池上 永一氏の沖縄を舞台とした一連の小説を読む際の参考にもなると思います。
かわいらしいイラストの表紙と、女性ばかりが語る百物語というイメージの通り、読後の雰囲気が柔らかな本でした。 他の百物語系の本も何冊か読みましたが、これは作家さまたちの短編エッセイをたくさん読んだ気分です。 この会に参加されている作家さんの中に好きな方がいらっしゃれば、読む価値があると思います。
10人の方がそれぞれ10話(正確には99話語るので、お一人のみ9話ですが)語るのですが、そんな10回も話すような怪異に出会うものだと感心しながら読みました。
まるで自分もこの怪談会の会場の中にいるような、臨場感も感じられました。
少なくとも現代の作家が語ったり創ったりする「怪談」は、幽霊や妖怪の存在を信じ切っている人にも、頭から信じていない人にも怖く読める工夫がされているものです。 そしてその工夫の一つのパターンとして、「どのようにとらえても腑に落ちることがない」というものがあり、実話系怪談、つまり実話っぽい怪談には、 多く使われているようです。 それはジグソーパズルのピースの数が多過ぎたり少な過ぎたりするようなもので、オカルト的に考えようが合理的科学的に考えようが、 必ず”すわり”が悪くなるようになっています。
しかしこの本に収録されている怪談は全て加門七海さんの「実体験」とされており、霊現象そのものは「当然あるもの」という前提で語られています。 そして聞き手の三津田信三さんもその前提には全く疑問を差し挟むことがありません。 そのためこの本の全体を通して「合理的な解釈をしてみよう」という態度はまったく見られません。 そのため「霊現象を、ひいては加門七海を信じるか、否か?」の答えいかんで、全く評価が違ってきてしまうでしょう。
霊現象あるいは加門七海さんご本人に対して否定的な方がこの本を読んでも、収録された話の内容をとても信じることができないでしょうし、 「インチキ話や与太話を読まされた」と不快になってしまうかも知れません。
逆に言えばオカルト好きにはかなり興味深いと思われる話が語られており、特に最後に収録されている 「人を呪うためにわざと最悪の家相にした挙句、その効果を上げるために儀式をほどこされた家」 というのは、オカルト系の小説を読むような感じで読み進むことができ、非常に楽しめました。
オカルト好きには是非。オカルト嫌いなら絶対にスルーしましょう。
ユリイカの藤田和日郎特集号です。
とにかく読んでもらいたいのはハガレンの作者・荒川弘さんとの対談。
二人が熱い漫画論を交わしており、思わず「日本漫画界はこの二人がいれば大丈夫だ!」と思ってしまいます。
二人とも、努力家で、働き者で、作品と読者に対して何より真摯であれ。という態度に感動しました。
二人の対談を読みながら、藤田さんに小一時間説教してほしい、少年漫画化が何人か頭に浮かびました。
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