3年間中国へ単身赴任した40歳くらいの関西出身の中間管理職の男性が 中国全省制覇を目指す旅行記。
中国のあちらこちらでツッコミまくって、楽しんでいる感じはよかった。 ただ40歳くらいの人が書いて本になって出版された文章として自分には読みづらかった。 なんというか10代か20代の人が書くような、 友達や知り合いに読ませるような感じで。元はそういう目的で書かれた物なのかもしれないけど。
現代に取材したルポルタージュの筈なのに、明清時代の話を読んでいるような気になってきます。中央は度々禁止令を出すが末端になるにつれて霧散してゆく。よく言われる、上に政策あれば、下に対策あり、ではない。中央の指令に対して地方が反抗しているのではなく、中央の指令自体が、「何かを禁止すれば、その穴埋めとして別の搾取が行われる」という、あたりまえの、構造的な対策となっていないことに問題がある。つまり中央の指令とは、綺麗ごとを口にしているだけで、単なる伝言ゲームを行っているというわけです。行政は伝言ゲームをしているだけで、農民が送った告発書が、たらいまわしにされた挙句、当の告発された当人に対処命令が行く、というブラック過ぎる世界はまるでSF小説を読むよう。最近読んだ、明代末期の社会を描いた「万暦十五年―1587「文明」の悲劇」を彷彿とさせる部分も多く見られます。
思うに、「共産党支配」が19世紀的な、あるいはそれ以前からの封建的な停滞に社会を置いているのではなく、20世紀に猛威を振るった共産主義という中国社会に外部から影響を与えた横糸が弱まり、「史的中国社会」という縦糸が色濃く出てきたのが、改革開放以来の中国社会なのではないでしょうか。共産党にも問題があるのは勿論ですが、共産党が無くなったところで、この史的中国社会の本質は簡単には変わらないのではないでしょうか。
これを「遅れている」などと断じるのは簡単ですが、本質が、「史的中国社会」にあるのだとすると、事態は一層深刻なのではないかと思われるのです。
本訳書は、出版前に雑誌に発表された、3/5程の抄訳版とのこと。是非全訳も出して欲しい。また、法令や事件の年表が付いていると、よりわかりやすくなったかと思います。
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